リモートワークを始めたものの、雑用に追われてなかなか仕事が捗らない……という方も多いのでは。今回は、仕事の期限は守りつつ、ストレスにならない程度にゆるくできるタスク管理の4つのコツをご紹介します。
ただし、これは筆者が10年以上に及ぶ在宅勤務の中で作ってきた自己流の方法です。業種や勤務形態によってそのまま当てはまらない場合も多いかと思いますが、何らかのヒントになれば幸いです。
1)タスク管理は公私混同で
職場では周囲の動きに応じて仕事の流れができていたという方も、リモートワークでは自分でその流れを作らなくてはなりません。そこで必要なのが「タスク管理」です。これは、やることの「管理」はカレンダーやリマインダーなどの道具に任せ、頭のリソースをなるべく「考える」ことに割くための手法です。
では、はじめに管理すべきタスクをリストアップしましょう。
まず、今週中にやる仕事や、やりたいこと・やるべきこと(タスク)を全て付箋に書き出します。基本的に1週間単位で考えますが、来週が期限の仕事や、期限はないけどやりたいことも書き出しておきます。
次に、すぐやるタスク、期限つきのタスク、そのうちやるタスク、という形でざっくり優先度順に並べ替えます。
この時、仕事だけでなく家事や趣味、家族の予定、買いたいものなど、プライベートの用事も同列に挙げていきます。在宅ワーカーにとって、生活の軸は職場ではなく「生活の維持」そのものです。その観点で見れば、仕事も家事も自分の趣味も等しく重要なことと言えます。
これを「雑用」と考えて犠牲にしたり、後回しにし続けたりすると、その反動はオフィス勤務時以上にダイレクトに自分の身に返ってきます。家のことも自分のことも仕事と同列に回すことを「生活の維持」と考えれば、「雑用」に追われるストレスから解放されるでしょう。
2)「タスク」を「作業」に分解して割り振る
次に、タスクの実行スケジュールを立てます。この時、タスクをいくつかの「作業」に分解し、カレンダー上に「作業」単位で割り振っていくのがポイントです。だいたい1〜2時間で終わる分量を1作業単位と考えます。
筆者の場合、例えば連載記事を1本仕上げるまでに「企画・構成」「実機検証」「文章を書く」「画像を作る」「校正する」と大まかに5つの作業に分解します。
そして、作業をバーチカルの週間カレンダーに割り振っていきます。カレンダーは手帳でもアプリでもOKですが、書いたり消したりが容易なツールがおすすめです。
最近活用しているのはiPad用の手帳アプリ「Planner for iPad」です。iOSの「カレンダー」の予定を読み込んでくれるので、日時が指定されている予定はカレンダーに登録しておき、それ以外の時間を作業時間としてやり繰りしていきます。
期限つきのタスクの割り振りができたら、順に家事や期限なしの仕事を割り振っていきます。
「できたらやる」程度のタスクも、一応スケジュールに組み込んでおきましょう。いざ時間が空いた時に何をしていいかわからず無駄に過ごしてしまった…という事態を防げます。
ここまでを週末のうちにやっておくと、翌週のスタートがスムーズです。
3)予定を見る、逐次チェックする
週が始まったら、カレンダーを確認して作業を始めます。完了した作業は終わったことがわかるように逐次チェック。これができると「仕事が進んだ」という実感が持てます。また、度々カレンダーを見ることで終わったもの・終わっていないもの・次にやることを把握でき、仕事の漏れ防止に役立ちます。
4)予定通りに行かないことに対処する
一方、終わらなかった作業は動かせそうな枠を見つけて再度割り振っていきます。ここが作業管理の一番のポイントと言っていいかもしれません。
どんなに考えて予定を立てても、自分だけの都合では進まなかったり、思ったより時間がかかったりする状況はどうしても出てきます。そうした状況でも、後の予定を俯瞰して順序を入れ替えたり、プライオリティの低いものを先送りするなど、自分の裁量の中でやり繰りできることが大事です。タスクを「作業」に分解し、カレンダーで視覚的に管理しておくことで、そうしたやり繰りに対応しやすくなるのです。
お仕事の内容やご家庭の状況によって、リモートワークに適したスタイルはそれぞれに異なると思います。これまでのやり方にとらわれず、ご家族との、またお一人での生活の維持を一番の目的に、やり繰りする方法を見つけていってください。