モバイル通信回線を手動で選択しようとしたら、「KDDI」や「Softbank」といった見慣れた名称にくわえ「441 10」とか「440 52」といった謎の番号が表示された、ということでしょうか? 確かに、5桁の数字だけでは意味不明ですし、選択したらどうなるかも気になるところです。
この5桁の数字は、PLMN(Public Land Mobile Network)番号です。前半3桁は国識別コード(MCC)、後半2桁は事業者識別コード(MNC)で構成され、かんたんにいえば通信キャリアを意味します。日本の通信事業者には、MCCとして「440」と「441」が用意されているため、日本国内でネットワーク選択画面を表示すると「440 ○○○」や「441 ○○」が並びますが、海外ではその国のMCCから始まるPLMN番号が表示されることになります。
2020年1月末時点では、NTTドコモが「440 10」、KDDIが「440 50」など12個、ソフトバンクが「440 20」など4つを保有しています。なお、3大キャリア以外にもワイモバイル(440 00)やUQコミュニケーションズ(441 10)、IIJ(440 03)といった通信会社がPLMN番号を保有しています。
モバイル回線の基地局は、報知情報と呼ばれる信号を定期的に発信しており、それをiPhoneがキャッチすると「ネットワーク選択」画面に表示されるしくみです。つまり、この画面に表示されるPLMN番号は、近くにある通信可能な基地局ということになります。
もっとも、PLMN番号が表示されたからといって、必ずモバイル通信に使えるわけではありません。iPhoneから送信された接続要求を基地局が受けとり、通信事業者側のSIM管理データベースに問い合わせて承認されないかぎり、つまり契約を持つユーザでなければモバイル通信サービスを受けることはできません。