マイナビは4月8日、日本経済新聞社と共同で実施した「マイナビ・日経 2021年卒大学生就職企業人気ランキング」を発表した。
2019年12月1日~2020年3月20日、2021年3月卒業見込みの全国大学3年生・大学院1年生(調査開始時点)を対象に実施。有効回答は3万630人(文系男子8,016人/同女子1万3,275人、理系男子5,410人/同女子3,929人)だった。
同調査は、マイナビが1978年から実施している注目度の高い調査。2017年度よりマイナビと日本経済新聞社の両者共同で実施しており、学生の就活動向をランキング形式で窺い知ることができる。学生はもちろんのこと、人材市場を知るうえで企業やビジネスマンにとっても関心度の高い調査となっているので、ぜひ参考にして欲しい。
「文系」学生に人気の企業ランキング
文系総合のトップは「JTBグループ」で、2年連続の首位となった。2位は「全日本空輸(ANA)」、3位は「東京海上日動火災保険」で、上位3社は前年と同じ順位だった。4位は「日本航空(JAL)」(前年5位)、5位には「オリエンタルランド」(同12位)がランクインしている。
6位以下は、6位「伊藤忠商事」(同7位)、7位「ソニー」(同4位)、8位「味の素」(同6位)、9位「ニトリ」(同14位)、10位ソニーミュージックグループ(同9位)と続く。9位の「ニトリ」は前年の14位から5段階順位を上げ、2012年卒以来のトップ10入りとなっている。
男女別に見ると、文系男子は1位「東京海上日動火災保険」(前年2位)、2位「ソニー」(同1位)、3位「伊藤忠商事」(同7位)。文系女子は、1位「JTBグループ」(同2位)、2位「全日本空輸」(同1位)、3位「日本航空」(同3位)だった。とくに文系女子の間での旅行や航空関連企業の人気が際立つ結果となっている。
選社理由は「安定」と「やりがい」が大多数
次に文系総合の上位企業の選社理由を見てみよう。その前に、全企業の選社理由の割合を確認すると、割合の高い順番に「安定している」(15.6%)、「やりたい仕事ができそう」(14.3%)、「業界上位である」(12.9%)、「将来性がある」(10.2%)、「社風が良い」(8.8%)、「企業イメージが良い」(7.6%)、「商品企画力がある」「社会的貢献度が高い」(各5.5%)、「国際的な仕事ができる」(4.4%)、「給与・待遇が良い」(3.4%)、「技術力が高い」(2.9%)、「福利厚生制度が充実している」(2.5%)、「広告・宣伝がうまい」(2.2%)、「実力主義・能力主義である」( 1.1%)、「経営者が魅力的である」「休日・休暇が多い」(各1.0%)、「環境問題に前向きである」(0.5%)、「文化活動に積極的」(0.4%)となる。とくに「安定している」「やりたい仕事ができそう」「業界上位である」「将来性がある」が高く評価されていると言えそうだ。
トップ5企業の選社理由の上位3つは、「JTBグループ」は「業界上位である」(22.9%)、「やりたい仕事ができそう」(16.6%)、「安定している」(16.1%)。「全日本空輸(ANA)」では「商品企画力がある」(21.7%)、「業界上位である」(17.5%)、「やりたい仕事ができそう」(14.6%)。「東京海上日動火災保険」は「業界上位である」(19.8%)、「安定している」(18.1%)、「将来性がある」(12.5%)となった。
「理系」学生に人気の企業ランキング
理系総合は、「ソニー」が4年連続の首位で強さを見せつけている。2位も4年連続で「味の素」、3位は前年の5位からランクアップした「富士通」だった。4位は「サントリーグループ」(同7位)、5位「トヨタ自動車」(同6位)までがトップ5となった。
以下、6位「NTTデータ」(同16位)、7位「カゴメ」(同4位)、8位「資生堂」(同14位)、9位「明治グループ」(同3位)、10位「日立製作所」(同11位)と続く。6位「NTTデータ」と8位「資生堂」は2019年卒から1年ぶりにトップ10に返り咲いている。
男女別では、理系男子は1位「ソニー」(同1位)、2位「富士通」(同3位)、3位「味の素」(同4位)。理系女子は、1位「味の素」(同1位)、2位「カゴメ」(同3位)、3位「資生堂」(同4位)となった。
選社理由は「安定」と「業界上位」が多かった
理系総合の全企業の選社理由の割合は、上位から「安定している」(17.1%)、「業界上位である」(14.6%)、「やりたい仕事ができそう」(13.3%)、「将来性がある」(10.4%)、「技術力が高い」(9.6%)、「社風が良い」(7.4%)、「企業イメージが良い」(6.1%)、「商品企画力がある」(4.4%)、「社会的貢献度が高い」(4.3%)、「給与・待遇が良い」(4.2%)、「福利厚生制度が充実している」(2.2%)、「国際的な仕事ができる」(2.0%)、「広告・宣伝がうまい」(1.5%)、「実力主義・能力主義である」(0.9%)、「環境問題に前向きである」「休日・休暇が多い」(各0.7%)、「経営者が魅力的である」(0.6%)、「文化活動に積極的」(0.2%)。文系では11位だった「技術力が高い」が5位になっているのは、やはり理系ならではだろうか。
トップ5企業の選社理由の上位3つは、「ソニー」が「業界上位である」(20.9%)、「技術力が高い」(19.1%)、「安定している」(15.1%)。「味の素」は「業界上位である」(22.2%)、「安定している」(20.9%)、「将来性がある」(11.5%)。「富士通」では「業界上位である」(21.4%)、「安定している」(20.1%)、「将来性がある」(14.3%)となった。「業界上位」「安定性」「将来性」は文系のそれと共通しているが、「ソニー」の技術力に対する高評価はやはりさすがと言うべきだろう。反面、どの企業も「やりたい仕事ができそう」が上位3つに入っていなかったのはやや意外な印象だ。