タレントのビートたけし(73)が、11日に生放送されたTBS系報道番組『新・情報7days ニュースキャスター』(毎週土曜22:00~)で、先月29日に亡くなったタレント・志村けんさん(享年70)について語った。
この日は2週間ぶりの放送となり、たけしはテレビで志村さんについて初めて言及。「けんちゃんは苦労してるからね」と志村さんの下積み時代を振り返りつつ、『8時だョ!全員集合』と『オレたちひょうきん族』が競い合っていたことにも触れ、「ドリフはちゃんと作った計算されたお笑い。お菓子でいえば大納言とか、ちゃんとした砂糖と小豆の味。『ひょうきん族』はテレビの裏側まで見せる人工甘味料」と形容。
さらに、「人はどうしても新しいものに目がいく。良い勝負して、(『ひょうきん族』が)追い抜いちゃったこともある。そしたら、結果的に両方ともダメになっちゃった。俺は映画やラジオに行ったけど、志村のけんちゃんは加藤(茶)さんと組んで正統な東京のコントをやった。そこに関西のコントが入って来たけど、それの防波堤だった」と志村さんの功績を分析。「東京の深夜でもコントを続けた防波堤のすばらしい人だね」と称え、「俺とけんちゃんと組んでコントをやったことあるけど、お互いボケツッコミが噛み合わないんだ」「やっぱり桑マンとかダチョウ倶楽部じゃないとダメ」とそれぞれの相性を解説した。
そして、「お笑いについてはコント、芸人そのもの。俺はいろんなものに手を出すけど、この人はコント一筋の人で。なかなかできないですよ。テレビの時代がいろいろ変化しても、この人はやっぱりお笑いのコントというものを突き詰めて」と自身と比較し、「何もこれで逝かなくたっていいじゃんというところはあるよね。もうちょっと……いずれ人間は死ぬけど、なにもこの芸人がこんなところでと思うけど」と寂しげな表情。一方で、「逆に考えれば、けんちゃんは良いところでおさまったなったという感じ。俺はもっと苦労するのかなと思う。良いところでいなくなったよ。逆にいえば、幸せじゃん。売れたままいなくなっていくんだからさと思うけど。こういうこと言うと、ファンに怒られちゃうけど」と前向きに捉えようとし、「俺とさんまは孤独死だよ」と苦笑した。
「ちょっと鬱になっちゃって、ノイローゼになっちゃって。何にも考えられなくなっちゃった。ああ、俺は一体これからどういう人生を歩むんだというぐらいまで考えた。どうしようと思ってね。でも、ちょっと冷静になってみれば、やりたいと思ったことを一生懸命やるべきだと。それでしょうがないじゃない? 余計なこと考えるのはよそうということにはなったけど」と吐露したたけし。すると安住紳一郎アナウンサーは、「頼りないですけど、私たちもいますので頼ってください」と優しく声を掛け、たけしはうれしそうに「そうそう」と笑顔を見せていた。