写真やビデオ、ワープロ文書といった「ファイル」は、スマートフォンやパソコンにおける処理の基本単位です。作成した文書をファイルとして保存しておけば、読み込むことでいつでも作業を再開できます。メールやメッセージアプリに添付したり、インターネット上の領域にアップロードしたり、ファイルの概念なしにスマートフォン/パソコンは語れないほどです。
しかし、iPhone/iOSではファイルの扱いがパソコンと異なります。パソコンでは、内蔵/外付けストレージ上のどこかに保存しておけば、どのアプリを利用しても保存場所を指定し読み込めますが、iOSではアプリごとに読み書きできる領域が明確に分離されています。たとえば、アプリAに保存したファイルは、アプリB/Cから読み込めないどころか表示すらされません。
その例外となるのが「ファイル」アプリにある「このiPhone」です。この領域に表示されたフォルダは、「ファイル」アプリを利用して他のフォルダへ移動/コピーしたり、削除したりといったファイル操作の対象になります。
ただし、フォルダを自由に作成することはできません。「ファイル」アプリの機能を利用できるよう開発されたアプリだけが、専用領域を「このiPhone」フォルダに表示できるのです。
しかも、アプリを削除すればそのフォルダも「このiPhone」フォルダから消えてしまいます。「ファイル」アプリに対応したアプリをひとつもインストールしていなければ、「このiPhone」フォルダ自体が表示されません。
「ファイル」アプリに対応したアプリであっても、一度もファイルをiPhone上に保存したことがなければ、「このiPhone内」にフォルダは作成されません。PagesやNumbers、Keynoteといったアプリのフォルダが見つからない場合には、適当な書類を作成し「このiPhone内」に書き出してみましょう。