新型コロナウイルスの感染拡大により、お店ではさまざまな商品が品薄状態となっているが、カー用品店でも“あるもの”が急激に売り上げを伸ばしているとの情報をつかんだ。一体、何が売れているのか。真相を探るべく、イエローハット美女木店に足を運んでみた。お話をうかがったのは、イエローハット メンテナンス・アクセサリー商品部 アクセサリー用品課 係長の菊池孝史さんだ。
抗ウイルスタイプのエアコンフィルターが売れ筋に?
イエローハットでは例年、冬物の動きが落ち着いてくる1月ごろから「花粉対策グッズ」の展開に力を入れている。例えば取り替え用のエアコンフィルター、空気清浄機、「北見のハッカ油スプレー」(マスクにひとふきすれば気分爽快、眠気覚ましにも効果あり?)といった商品だ。ただ、今年はエアコンフィルターが例年の1割増し、空気清浄機が同2倍程度の売れ行きを示しているという。その理由が、どうやら新型コロナウイルスの流行らしいのだ。
イエローハット美女木店が取り扱っているエアコンフィルター(ボッシュ製の「アエリスト」)には、価格の安い順に「スタンダードタイプ」「脱臭タイプ」「脱臭・抗ウイルスタイプ」の3種類がある。普段であれば真ん中のグレードである「脱臭タイプ」が最もよく売れるそうだが、新型コロナウイルスの影響を受けてか、ここ最近は上位グレードの「脱臭・抗ウイルスタイプ」が売れ筋になっているという。エアコンフィルター自体の売り上げが伸びていて、中でも高価格帯商品の構成比が急上昇しているという状況なのだ。
新型コロナウイルスの影響でマスクが手に入りにくくなっているが、考えてみれば、エアコンフィルターは「クルマにとってマスクのようなもの」(菊池さん)。こういう情勢なので、エアコンフィルターを取り替えたいと考える自動車ユーザーの気持ちもよく分かる。もともと花粉症で、この時期にはマスクが欠かせないという人も、コロナ特需でマスク自体が手に入りにくくなっている今、「せめて、クルマの中だけでも花粉なしで過ごしたい」との気持ちから、エアコンフィルターの交換に踏み切っているのかもしれない。
車内の消臭スプレーについても、「除菌」に効果があるとうたっている商品がそうでないものの4倍くらいの売れ行きを示しているという。コロナの影響で除菌グッズに注目が集まっていることがよく分かるが、中でも、驚くべき売れ方をしているのが「除菌タイプ」のウェットティッシュだ。菊池さんは語る。
「イエローハットでは除菌タイプのウェットティッシュを2種類扱っています。ドリンクホルダーに差しておける30枚入りのものと、袋に入った80枚入りのものですが、これらの商品はすでに売り切れてしまっている状況なんです。最近は普段の約5倍くらいの勢いで売れていて、1万個くらいは在庫があったんですが、それも一瞬でなくなってしまいました」
除菌タイプのウェットティッシュを求めてドラッグストアやホームセンターを訪れたものの、売り切れで買えなかった人たちが、「ひょっとして、カー用品店にもあるかも?」と“気づいた”結果、おそらくこんな状況が生まれたのだろう。菊池さんも「(世間的な品薄さわぎから)半月くらい遅れて火が付いた感じ」と当時の状況を振り返っていた。
このように、除菌関連グッズ、エアコンフィルター、空気清浄機などが売れているというイエローハットだが、まだそこまで注目されてはいないものの、この状況下で注目すべき商品やサービスはあるのだろうか。最後に聞いてみたところ、「車内をリセットするという意味で」と菊池さんが紹介してくれたのが、「クレベリン」というピットサービスだ。
クレベリンとは、二酸化塩素分子の力で車内の除菌と消臭を行うサービスのこと。施工目安時間は20分で、料金は軽自動車、コンパクトカー、セダンが2,400円(税抜き)、ミニバン、SUV、ワンボックスが3,400円(同)だ。
公共交通機関の利用を控えるため、クルマで移動する人が増えつつあるとも聞くが、クレベリンで愛車の車内空間をいったんリセットした上で、エアコンフィルターを抗ウイルスタイプのものに交換し、消臭スプレー、ウェットティッシュ、シートクリーナーといった除菌グッズを用意することができれば、クルマ移動の安心感がより高まるかもしれない。