リモートワークをするなら、まず必要になるなのが通信環境です。ネットが繋がらなくては仕事になりません。リモート環境の長期化も見据えて、これから新たに自宅へ通信回線を導入するなら何を選べばいいのでしょうか。今回は家庭用ネット回線を選ぶ際のポイントをご紹介します。
お手軽・早期導入なら「ホームルータータイプ」
1日も早く回線を引きたいなら、もっとも手軽で短期なのが据え置きタイプの無線Wi-Fiルーター(ホームルーター)です。物理的な工事が不要で、届いたらコンセントに挿すだけですぐに使用を開始できる簡単さが魅力です。
モバイルタイプの無線Wi-Fiルーター(モバイルルーター)をお使いの方も多いと思いますが、据え置きタイプはバッテリーの心配がなく、有線接続できる端子が搭載されていたり、モバイルタイプより通信速度の出る機種もあります。
ホームルータータイプを選ぶなら、注意したいポイントは「通信制限」です。月ごとの通信容量が「上限なし」であっても、「3日間の合計が10GBを超えると速度制限」といった形でリミッターが設定されている場合があります。
動画やビデオ通話をそれほど使わなくても、PCやスマートフォンのOSアップデートがあれば一気に数GBを消費してしまいます。アプリのバックグラウンド更新やクラウドストレージの同期など、見えないところでも多くの通信量が消費されています。いざという時はスマホでテザリングするなどの代替手段を考えておきましょう。
通信速度は最大500Mbps前後のプランが多く、実効速度はそれより大きく低いと考えた方が良いでしょう。50〜60Mbps程度出れば仕事には支障ないと思われますが、ご家族が動画を見るなど、同時に複数の端末から接続する場合は注意が必要です。
一般的な光回線「マンションタイプ」「戸建てタイプ」
集合住宅にお住まいの場合、月額料金がリーズナブルで比較的早期に導入できるのが光回線の「マンションタイプ」です。ただし、物件への回線導入ができていない場合は利用できません。
戸建て住宅やマンションタイプ非対応の物件にお住まいの場合は光回線「戸建てタイプ」を利用する必要があります。
光回線ならホームルーターのようなリミッターがないので、ライブ動画やビデオ通話をつなぎっぱなしにしたり、重たいファイルをやり取りする場合でも安心です。
2つの違いは通信速度です。契約内容に「下り1Gbps」と記載されていても、マンションタイプでは共有になるのでこれよりも回線速度が低下します。利用が集中すると動画再生やWebサイトの表示がスムーズにいかないこともあります。大容量のファイル送信は時間をずらして行うなど、仕事の仕方に工夫が必要です。
ほとんどの場合、開通までに2〜3週間、事業者によっては1〜2カ月程度かかります。申し込み前に確認しておきましょう。
より高速な光回線「nuro」とは?
光回線の通信速度は下り最大1Gbpsで提供される場合が多いですが、高速通信を売りにする「nuro」は最大2Gbpsです。カメラマンや動画クリエイターなど、常に大容量ファイルをやり取りする方には嬉しい仕様です。
利用可能エリアもかなり広がってきたので、都市部であれば比較的導入しやすいと言えるでしょう。
ただし、プロバイダはSo-netしか利用できません。また、開通までに1〜2カ月かかる予定となっています(記事執筆時点)ので注意が必要です。
通信費はいくらかかる?
通信回線とプロバイダ料金を合わせた場合の料金は、概ね月額4,000〜5,000円台が見込まれます。その他、初期費用として開通時の事務手数料やルーターのレンタル費、回線工事費などがかかります。ただし、レンタル費と工事費はキャンペーンなどで実質無料やキャッシュバックになるプランが多く提供されていますので、うまく活用しましょう。
会社の要請でリモートワークをする場合は、携帯電話と同じく通信費として経費精算の対象となることも考えられます。上司や担当部署に確認してみましょう。
ネットオークションやアフィリエイト、その他の副業で給与以外の雑所得が年間20万円以上ある場合は、確定申告で通信費を経費として計上でき、課税対象額から減額されます。
料金で決めるなら、携帯電話キャリアから探すのもアリ
大手携帯電話キャリアのスマートフォンをお使いの方なら、家庭用の通信回線を併せて契約することで携帯電話の料金が割引になるプランが各社から提供されています。「ドコモ光セット」「au スマートバリュー」「ソフトバンクおうち割 光セット」などです。
家族全員分が割引になるプランもあるので、料金で選びたい方はお使いのキャリアから考えてみても良いでしょう。