14日放送(※7日は報道特番のため放送日変更)のテレビ東京系ドキュメンタリー番組『日経スペシャル ガイアの夜明け』(毎週火曜22:00~22:54)では「楽天の野望」と題し、携帯電話事業に参入する楽天を密着取材した。

  • 楽天の三木谷浩史社長 =テレビ東京提供

8日から携帯電話事業に本格的に参入する楽天。最大のウリは大手3社の半額以下という料金プランで、300万人(増減の可能性あり)を対象に「1年間無料」にする。しかし、このサービス開始に至るまでは苦難の連続だった。

通信ネットワークの要となる基地局の設置が計画通りに進まず、当初予定していた昨年10月のサービス開始を大幅に延期せざるをえなかった。試験サービスでは通信障害が発生したことなどで、総務省から4度もの行政指導を受けてしまう。

楽天はこれまでのコネクションをフル活用し、通販出店者、ホテルなど屋上に基地局を設置させてくれる取引先がないかをローラー作戦で洗い出していったが、すでに大手3社におさえられているため、最後発の楽天が入り込めない地域が見つかる。そこで、選りすぐりの社員と専門家からなる特命チーム「SWAT」を発足。果たして、電波の“空白地帯”を埋めることはできるのか。

三木谷浩史社長が携帯参入にこだわる理由の1つが「経済圏の拡大」だ。通販サイト・楽天市場をはじめ約70サービスを展開し、そららをポイントで紐付ける「楽天経済圏」の利用者は1億人以上。あらゆるサービスが携帯電話で使われる今、国内で第4のキャリアとして参入することでさらに利用者を囲い込み、経済圏拡大の切り札にする狙いがある。

そして、携帯参入のもう1つの挑戦が、“待たせない店舗”。携帯ショップでの手続きは、時間がかかるとの声が多い。楽天が目指すのは、待ち時間を短縮し、客のストレスを軽減することで大手3社から客を奪おうという戦略だ。ビルの一室に模擬的な売り場を設置し、時短の検証を繰り返していく。7カ月にもわたる実験の末、編み出した独自の仕組みとは。