NHK大河ドラマ『麒麟がくる』(毎週日曜20:00~)の第12回「十兵衛の嫁」が5日に放送され、長谷川博己演じる十兵衛こと明智光秀が、木村文乃演じる熙子に「お嫁に来てくれませんか?」と直球のプロポーズ! 門脇麦演じる駒や、川口春奈演じる帰蝶から愛されたモテ男・光秀のハートを射止めたのは、美濃の土豪・妻木氏の娘・熙子だった。
細川藤孝(眞島秀和)の尽力で、無事に将軍・足利義輝(向井理)に会えた光秀は、義輝に織田家と今川家の和議を命じる使者を出してもらえることになり、美濃に戻ってきた。ある日、鷹狩りに出かけた光秀は、妻夫木荘に立ち寄り、妻夫木家の娘・熙子と再会。熙子の心遣いに感動した光秀は、彼女にいきなりプロポーズをした。
長谷川と木村が夫婦役を演じるのは、日本テレビ系ドラマ『雲の階段』(13)以来2度目。長谷川に全幅の信頼を寄せている木村が、プロポーズシーンの撮影秘話や、光秀と熙子の夫婦の関係について語った。
――光秀からプロポーズされたシーンを振り返ってみていかがですか?
その時は、違和感や不思議な感じを抱くことは全然なかったです。初めて現場に入った日でしたが、山梨のロケで寒かったのを覚えています。辺り一目が霜に覆われ、霜が引くのを待っていて、陽が入ってきたらすごくきれいでした。ただ、他の女性ではなく、熙子が選ばれたということをどう表現していくかについては、長谷川さんと少しお話をしました。結局、台本も少し変わり、監督の意見にもすり合わせて、演じていきました。
――熙子との共通点や、共感したり、共鳴したりする部分はありますか?
熙子さんはできた人ですからね。とてもポジティブな人で、空気を読みながら行動していきます。目先のお金というか、暮らしに左右されず、何が大切かをその時々できちんと見つけていく熙子さんが私はすごく好きなので、そこを大事にしてこれからも演じていけたらいいなと思っています。
――光秀との夫婦関係についてはどう捉えていますか?
光秀さんはすごく悩みますね。たぶん同じような性格の人間同士なら一緒にいないだろうから、逆というと、違うかもしれませんが、熙子さんはあっけらかんとしていていいんだろうなとは思っています。
――確かに光秀は、今後も前途多難な状況が続きますね。
私はわりとサバサバしている性格なので、光秀さんについては「悩み過ぎだよ」と思ってしまいます。ただ、私はまだ戦場での生死のシーンを見たわけではないし、いつもお家にいる光秀さんは本当にチャーミングで、のほほんとしながら悩まれているだけなので、いつも「どういう決断をするんだろう?」と思いながら、楽しみに見ています。
――光秀にとって、熙子の内助の功はとても大きいのではないでしょうか。
熙子さんは戦場には行けないのですが、いつも帰って来る夫を待っているというのとは少し違います。この時代の女性たちは、自分で考えて暮らしているので、夫に守ってもらったり、三歩引いて歩くような感じではないのかなと。そこは、今の時代にも通じるものがある気がします。時代劇の女性というと、三歩引くというイメージがありますが、最初から演出の大原(拓)さんから「横です。横を歩いてください」と言われました。帰蝶さんや駒ちゃんがいる中で、熙子が光秀の隣にいる女性として選ばれる理由を考えた時、そうやってちゃんと隣で同じものを見られる人でいなきゃいけないとは思っています。
――明智庄でのシーンを撮影してみていかがでしたか?
モニターを観て、すごくいい明智家になっていると思いました。古き良き家庭がそこにあるという感じがして、見ていてほっこりします。長谷川さんの気遣いと、(光秀の母親役の)石川さゆりさんの明るさが、家の雰囲気を良くしてくださっている感じがします。こういう家で暮らしたいなと思えるものに仕上がっていると思います。
――これからまだ撮影が続きますが、熙子役は木村さんのキャリアにとってどういう位置の役柄になりそうでしょうか?
熙子が最後にどうなるかを私はまだ知らないんです。だから、そこは最後までやってみた結果、思うことなのかなと思います。今後も撮影が楽しみで仕方がないです。
木村文乃(きむら・ふみの)
1987年10月19日生まれ、東京都出身。『アダン』(06)のオーディションでヒロインに抜てきされ映画デビュー。同年の『風のダドゥ』で映画初主役を務める。同年11月にはNHK大河ドラマ『功名が辻』でテレビドラマ初出演を果たす。主な出演ドラマは『精霊の守り人』(16/NHK)、『ボク、運命の人です。』(17/日本テレビ)、『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』(18/TBS)など。主な映画出演の近作は、『追憶』、『火花』(共に17)、『伊藤くんAtoE』、『羊の木』、『体操しようよ』(いずれも18)、『居眠り磐音』、『ザ・ファブル』(共に19)、『サギデカ』(19/NHK)など。
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