NVIDIAは4月2日(北米時間)、高性能ノートPC向けモバイルGPUの新製品として、「GeForce RTX 2080 SUPER」と「GeForce RTX 2070 SUPER」の2モデルを追加したと発表した。デスクトップPC向けモデルと同様に、Turingアーキテクチャがベース。4月中旬頃より順次、この新GPUを搭載するノートPCが各社より登場する見込みだ。
あわせて発表済みのモバイル版GeForce RTX 2060の値下げ改定も実施し、RTX 2060搭載ノートPCが999ドルから買えるようになると説明している。
待望のノートPC向けハイエンドGPU
今回の「SUPERシリーズ」に属する新GPUの追加によって、ノートPCにおいても、ハイエンドGPUのラインナップが最新デスクトップPC並みに充実する。新GPUはすべてTuringベースで、デスクトップPC向けと同様に演算ユニットの制限などでモデルバリエーションを用意した。デスクトップPC向けと今回のノートPC向けとのスペック上の違いはコアクロックやメモリクロックが異なるくらいであり、演算ユニット数やメモリ容量などは同等であるため、性能面は期待してよいだろう。
モバイル版GeForce RTX 2080 SUPERの主な仕様は以下の通り。
- GPUコア:TU104(Turing 12nm FEN)
- CUDA Core数:3072基
- Boostクロック:1080~1560MHz
- メモリ:GDDR6 8GB
- メモリバス幅:256bit
- メモリ帯域:448GB/s
- TGP(Total Graphics Power):80~150W以上
モバイル版GeForce RTX 2070 SUPERの主な仕様は以下の通り。
- GPUコア:TU106(Turing 12nm FEN)
- CUDA Core数:2560基
- Boostクロック:1155~1380MHz
- メモリ:GDDR6 8GB
- メモリバス幅:256bit
- メモリ帯域:448GB/s
- TGP(Total Graphics Power):80~115W
■主なモバイル版RTX GPUのスペック表 | |||||
2080 SUPER | 2080 | 2070 SUPER | 2070 | 2060 | |
---|---|---|---|---|---|
CUDA Core数 | 3072基 | 2944基 | 2560基 | 2304基 | 1920基 |
Boostクロック | ~1560MHz | ~1590MHz | ~1380MHz | ~1455MHz | ~1560MHz |
メモリ | GDDR6 8GB | GDDR6 6GB | |||
メモリバス幅 | 256bit | 192bit | |||
メモリ帯域 | 448GB/s | 336GB/s | |||
TGP | 80~150W+ | 80~115W | 65~115W |
高性能GPUにあわせ「Max-Q Technology」も刷新
新GPUの投入にともない、モバイル版GeForce RTXシリーズを対象に「Max-Q Technology」も新しくなった。薄型ノートPCに高性能(=高発熱)GPU搭載を実現するための熱設計消費電力の効率化技術だが、新しいMax-Q Technologyでは特に、「Dynamic Boost Technology」と「Advanced Optimus Technology」という2つの新技術が目玉だ。
Dynamic Boostは、AMDの「SmartShift」に似た技術で、ノートPCに搭載されたCPUとGPUに個別に決まったTDP(熱設計消費電力)枠を設定するのではなく、CPUとGPUをあわせたTDP枠のなかで、アプリケーションによるチップの使用状況を監視しながらシーンに応じて、より処理能力を必要とするチップの側に電力(熱)の許容枠を割り振る。ゲームであっても、場面によってCPU処理をより使う場合もあれば、GPU処理を重視する場合もある。CPUとGPUをあわせたより大きなTDPバジェットの中で枠を融通できれば、従来よりも高いクロックで効率的に処理でき、性能が伸ばせるというものだ。
Advanced Optimusは、性能に優れるdGPUと、省電力なiGPUを切り替えて使うことで電力効率を向上させる従来の「Optimus」を改良した技術。切り替えがより素早くできるようになったほか、4K/120Hzといった高解像度で高リフレッシュレートなディスプレイへの対応を追加したほか、新たにG-SYNCにも対応する。