モータースポーツをテーマに、「Speed and Intelligence」をコンセプトとして展開するカシオの高機能メタルウオッチ「EDIFICE」。その最新モデルが、Bluetooth Low Energyでスマートフォン用専用アプリとの連携機能を持つ「ECB-10」だ。ECB-10をベースに、EDIFICEの20周年を記念するHonda Racing(ホンダレーシング)コラボモデル「ECB-10HR-1AJR」が登場することとなった。
そこで今回は、このECB-10HR-1AJRの外観とディテールを写真でじっくりとお届けする。機能や仕様など詳細な情報については別記事『カシオ「EDIFICE」×Honda Racing - コラボレーションモデル第3弾』をご覧いただきたい。ECB-10HR-1AJRの価格は38,500円(税込)で4月発売予定。
モータースポーツイメージを集約した、究極の「ECB-10」
「EDIFICEの20周年を記念するモデルは、モータースポーツイメージを集約したものでなければならない」―― ECB-10HR-1AJRの企画担当者はそう思ったはずだ。それには、カシオ(EDIFICE)がサポートするF1チーム「Scuderia AlphaTauri(スクーデリア・アルファタウリ)」にパワーユニットを供給し、モノづくりの精神とモータースポーツへの情熱を共有してきた「Honda Racing」とのコラボは必定だったに違いない。
ECB-10HR-1AJRは、ECB-10がベースモデルとは一見して気付かないほど、Honda Racingのスピリッツに染め上げられている。印象的な黒・赤のカラーリングはHonda F1クルーのユニフォームそのものだし、カーボン素材を使用したダイヤルはF1マシンの外装を想わせる。前作のコラボモデル「EQB-1000HR」より、見慣れたイメージになったことを喜ぶファンも多いだろう。
ダイヤル上のロゴや文字の類がぐっと美しくなっている点も白眉(はくび)だ。ゴールドのEDIFICEロゴは、金属材料をシート状に加工したメタレターならではの立体感と輝き。ブランド20周年アイテムであることを強く印象付けている。
その下のHonda Racingロゴは、よく見ると縁線付きの袋文字になっており、その線も繊細ながら実にキレイに印刷されているのだ。これはメーター風にデザインされたスケジュールタイマーのレターも同様。細かい文字だがかすれもなくプリントされていて、視認性が高い。
これは、カーボン地に樹脂を含浸させることによって、カーボン地を樹脂コーティングした上に印刷して得られる効果だ。実際のF1マシンにも同じ技術が使われている。こんな風に「普通に見える」部分にも、高度な技術とこだわりのひと手間がかけられているのだ。
ケースはベースモデルと同じ鍛造ケースで、ブラックIP処理がされている。が、ここで筆者はあれ? と思った。ECB-10のベゼルは別体式だったっけ?
カシオに確認したところ、ベゼルはやはりケースと一体式で、ケースとベゼルの仕上げを変えることで、見え方に変化を付けているという。まさにテクニックの勝利である。
なお、ベゼル上のミニッツマーカーもベースモデルと異なり、レーシーなイタリック(斜体)フォントを採用。「20」だけ文字が赤いのは……そう、EDIFICE20周年記念の意だ。
レザーバンドはデザインも凝っている。フェルト素材を中芯に革ごと型押して圧縮、立体的な形状を作り、スポーティーな印象と耐久性を両立しているのだ。素材は表裏ともに本革。ステアリングやシフトノブの巻き革、レーシンググローブといった伝統的なモータースポーツのイメージを偲ばせてくれる。革バンドならではの落ち着いた装着感もうれしい。
常にモータースポーツスピリットに寄り添いながら、機能とデザインを進化させてきたEDIFICE。近ごろは、スリム&コンパクトでフットワークに優れたビジネス・クロノグラフという評価も高まっているが(もちろん、それも正しい)、その王道はやはりレースシーンにあるのだと、ECB-10HR-1AJRは改めて認識させてくれるのだ。クルマやバイクを愛する人にこそ、おすすめしたい時計である。