米Intel Corporationは4月2日の午前0時(太平洋時間)、第10世代のCoreプロセッサを発表した。これに先立ち電話会議の形で概略の説明があったので、まずはこれをお届けしたい。
今回発表の第10世代HシリーズCoreプロセッサはComet Lakeベースの製品(Photo01,2)である。意味合いとしては、AMDが先日発表したRyzen 4000H/HSシリーズへの対抗馬というのが一番判りやすいだろう。製品SKUはPhoto03の様に6製品。AMDがRyzen 9/7/5にそれぞれ2製品のみなのに対し、IntelはCore i9が1製品、Core i7が3製品、Core i5が2製品というラインナップになっている。
今回の第10世代HシリーズCoreプロセッサの特徴はこちらの通り(Photo04)。Mobile向けとしては初めて5GHzを超えた(Core i7/i9)というのが大きな売りとなっているが、他にDDR4-2933のサポートやWi-Fi 6などのサポートが第9世代までとの違いとなっている。ただ逆に言えばこれらは昨年8月に発売された第10世代UシリーズのCoreプロセッサの中でも、Comet Lakeベースの製品と共通の話であり、新しい話としてはIntel Speed OptimizerなるOverclocking Toolが提供されるという話であろうか? 詳細は不明であるが、2019年のCOMPUTEXで発表されたIntel Performance Maximizerの発展版なのかもしれない。
ちなみにIntelは前世代の製品との性能比較は意地でもするつもりが無い様で、パフォーマンス比較(Photo05,06)も第7世代との比較に留まった。
ちなみにIntelによれば、30以上のGaming Noteと100以上のWorkstationを含むMobile製品が出荷予定とされている(Photo07)。
発表としては以上でほぼ全てであるので、最後にちょっとだけ補足を。
まずグラフィックに関しては一切言及がないというのは、既存のComet Lake同様にIntel UHD Graphicsが搭載されているという話と思われる。まぁGaming NoteであればDiscrete Graphicsが搭載されることは珍しくないので、UHD Graphicsであっても実用上あまり困らない、という事と思われる。
またプロセッサの動作周波数は最大で5.3GHzまで引っ張っており(当然これは1コアのMax Boostの数字であって、全コアの場合にはもっと下がると思われる)、最大でも4.4GHz止まりのRyzen 4000H/HSとの差を見せつけているが、問題はこの5.3GHzをどれだけ長時間維持していられるかという事ではないかと思う。こちらでもちょっと触れたが、Ryzen 7 4800HSにTMPGEnc Viceo Mastering Worksで負荷を掛けた際に、1コアだと4.2GHz(全コアだと3.4GHz)が数分間に渡って維持されていたが、このあたりがこの第10世代HシリーズCoreプロセッサでどうなっているのかは興味深いところだ。