ファーウェイは、3月26日に5G対応フラッグシップスマートフォンの新モデル「P40」シリーズをグローバル発表した。標準モデルの「P40」、上位モデルの「P40 Pro」、そして最上位モデル「P40 Pro+」という3モデルのラインナップだ。
今回の発表はオンラインのライブ中継だったため、通常の発表会で行われるハンズオンセッションも実施されなかった。ただいち早くP40 Pro実機を試用できたので、ファーストインプレッションとして外観を中心に紹介する。発表時点で日本発売は未定だが、3モデルのうちどれかは投入されるのではないだろうか。
P40 Proは、シリーズ中位に位置するモデルで、従来モデルとなるP30 Proの直接的な後継モデルと考えていいだろう。P40シリーズのスペックは、以下の表にまとめたとおりだ。2019年9月に発表されたMate 30シリーズ同様に、5Gモデムを統合したSoC「Kirin 990 5G」を採用。RAMは8GB、内蔵ストレージも256GBと余裕があり、ハイエンドモデルらしい仕様となっている。
では本体外観をチェックしていこう。
本体サイズはスペック表にもあるように、幅72.6×高さ158.2×厚さ8.95mm。ディスプレイサイズが6.58型と大きいため、しっかりとしたサイズ感だ。実際に手に持ってみても、やや大きな手の筆者でも片手で操作するのは少々厳しいかな、と感じた。それでも、4辺ともに狭額縁仕様なので、ディスプレイサイズを考えると納得の大きさだ。
重さは209gと、200gを超えている。さすがにずっしり重い印象だが、こちらもボディサイズなどを考えると仕方のない部分かもしれない。実測での重量は207g(SIM未装着)と公称よりわずかに軽かった。
ディスプレイは、1,200×2,640ドット表示対応の6.58型有機ELディスプレイ。4辺狭額縁かつ、4辺ともに本体側面カーブに合わせてディスプレイが湾曲している点も大きな特徴だ。左右に比べて上下の湾曲はわずかで、湾曲させる必要があったか少々疑問だが、この仕様によって前面から見るとほぼ全体が表示領域のように見える。
ディスプレイ左上には、フロントカメラと、3D顔認証やジェスチャー操作を実現するDepthカメラを備える大きなパンチホールがあり、これがかなり目立つ存在。従来モデルはディスプレイ上部の比較的小さなティアドロップ型切り欠きだったが、そちらよりも圧倒的に目につく。映像などを全画面表示すると、このパンチホールがどうしてもジャマになるため、この点は少々残念に感じた。
デザインは比較的シンプルで、基本的なデザインコンセプトも従来モデルから大きく変わっていない。ボディカラーは5色用意されるが、今回試用したのは「Silver Frost」。マット調のシルバーカラーは、光沢感の強かった従来モデルと比べてやや印象が変わった。P40 ProのSilver Frostは光の当たり具合で光沢感や色合いが変化し、こちらも十分高級感がある。加えて、指紋が目立ちにくい点もうれしいところ。
下部側面には、インタフェースとしてUSB Type-C、SIMカードスロット、マイク、スピーカーを、上部側面には赤外線ポートとマイクを、右側面にはボリュームボタンと電源ボタンをそれぞれ配置。SIMカードスロットはトレイ表裏にnano SIMを装着するタイプで、SIM2スロットはファーウェイ独自のメモリーカード「NMカード」にも対応する。
ファーウェイのPシリーズといえば強力なカメラ機能が特徴だが、P40シリーズのカメラ機能も従来モデルからさらに進化している。
今回試用したP40 Proは、リアメインカメラの構成は超広角レンズ、広角レンズ、5倍望遠レンズ、深度計測カメラの4眼仕様だ。センサーが進化しており、メインの広角レンズには5,000万画素・1/1.28型の大型RYYBセンサーを採用し、画質や暗所撮影性能を向上。また、超広角レンズは4,000万画素センサー、5倍望遠レンズは1,600万画素センサーを採用し、それぞれ画質を強化している。
以下はファーウェイのグローバルサイトから抜粋したP40 Proのカメラ構成だ。apertureは絞り、OISは光学式手ブレ補正のこと。
- 50 MP Ultra Vision Camera(Wide Angle, f/1.9 aperture, OIS)
- 40 MP Cine Camera(Ultra-Wide Angle, f/1.8 aperture)
- 12 MP SuperSensing Telephoto Camera(f/3.4 aperture, OIS)
- 3D Depth Sensing Camera
リアのカメラユニットは、Galaxy S20シリーズやPixel 4のような、カメラ全体を長方形に囲むデザインだ。配置場所は従来モデル同様に背面左上となっているが、このデザインの採用は後発ゆえの後追いという印象も受ける。ただ、もともとPシリーズはカメラを特徴とする製品であり、カメラの存在感が高められているこのデザインは、Pシリーズとしては必然だったともいえるだろう。
今回は、試用機を入手してあまり時間がなかったため、外観を中心に紹介した。今後じっくり触ったうえで、カメラを中心とした機能面を紹介する予定だ。