前回「はじめてのアケコン」として、アケコン全般の基礎知識を解説しました。今回からはアケコンをリリースしているメーカー別に、主なアケコンを紹介します。

まずは国産メーカーで、最大手の1つであるHORI。ラインアップが豊富で、アケコンの歴史が長いメーカーです。また、アケコンの部品メーカーである「SANWA」や「セイミツ」などのボタンやレバーを使用しているメーカーが多いなか、それらを自社開発している点もHORIの特徴でしょう。

  • 今回紹介するHORIのアケコン

    今回紹介するHORIのアケコン

レスポンスの良さが魅力のハイエンドモデル

まずは、「ファイティングエッジ刃 for PlayStation 4/PC」から紹介します。

  • ファイティングエッジ刃

「ファイティングエッジ刃 for PlayStation 4/PC」は、HORIのアケコンのハイエンドモデル。ボタンとレバーはHORI独自のボタンユニットとレバーユニットである「HAYABUSA」を使用しています。レスポンスの良さに定評があり、滑らかな操作性も魅力。ハイアマチュアからプロまで、満足ゆく操作ができるでしょう。

ボタン配列はノアール配列。最近のアケコンはビュウリックス配列が多いので、数少ないノアール配列の現行モデルです。天面はヘアライン加工が施されており、手垢などが目立ちにくく、高級感のある仕上がりです。

サイズ幅475mmとかなり大きく、背面のゴムの滑り止めと相まって安定性の良さはアケコンのなかでもトップクラス。その反面、持ち運び時の不便さや、未使用時のスペース確保がデメリットとして挙げられるでしょう。

  • ボタンは厚みの少ないHAYABUSAユニットを使用。押したあとの戻りも早く、ボタン操作のレスポンスが良くなっています

  • OPTIONボタンやSHAREボタンなどは、大会中に押してしまうと1ラウンド負け扱いになることもありますが、本機は、それらのボタンを無効にするトーナメントモードに対応。ボタン配置を変更できるアサインモードも搭載します

また、本体のメタル部分はなかなか冷えます。滑り止めのゴムは全面に貼られているわけではないので、冬場に膝置きする場合は、対策が必要かもしれません。

背面のネジには、1カ所シールが貼られており、このシールを剥がしてしまうと、補償対象外になってしまうので、カスタマイズをする際は、それを覚悟しましょう。

  • 滑り止めによりテーブル置きも膝置きも安定。下部にあるWARNINGのシールを剥がすと補償外になるので注意しましょう

実際に「ファイティングエッジ刃」を用いてゲームをプレイしてみました。やはり、レバーもボタンもレスポンスが良く、快適な操作感。膝置きしても安定感がありますが、サイズが大きめなので、テーブル置きの場合も、スペースの確保が必要でしょう。

  • 本体奥の側面にはケーブル収納ボックスとPS4用のタッチパッドを完備

  • PS4コントローラー「DUALSHOCK 4」と比較するとこれくらいの大きさです

  • 配列:ノアール配列
  • 連射:なし
  • OPTIONボタン:天面
  • トーナメントモード:あり
  • PCインプット:Xinput
  • PS4タッチパッド:あり
  • カスタマイズ:補償外
  • 価格:22,980円(税別)

静音レバーで気になるカチカチ音を抑制

続いて、「リアルアーケード Pro.V サイレント HAYABUSA for PlayStation 4/PlayStation 3/PC(ヘッドセット端子付き)」です。

  • リアルアーケード Pro.V サイレント HAYABUSA for PlayStation 4/PlayStation 3/PC

リアルアーケード Pro.V(通称RAP)は、レバーから出る動作音を軽減したモデル。レバーに光学式スイッチを採用することで、スイッチのカチカチ音を無音化しました。打鍵音吸収素材を使用したボタンは、叩いたときに発生する音を大きく軽減します。

これなら、深夜のプレイで就寝中の家族に迷惑をかけることもなりそうです。また、オフライン大会の試合会場では、操作音から動作を読まれることも少なくなるでしょう。

レバーとボタンは独自開発のHAYABUSAユニットを使用しており、操作の高いレスポンスを実現。サイズは「ファイティングエッジ刃」ほど大きくないですが、それでも幅430mmと、なかなかの存在感です。

その点、安定性は高いので、膝置きでもテーブル置きでも安定した操作ができるでしょう。連射ボタンも搭載しているので、対戦格闘ゲームプレイヤーだけでなく、シューティングゲームプレイヤーにもオススメです。

  • ボタンはHAYABUSAユニットを使用しており、通常のボタンよりも薄め。指紋が付きにくいマット仕様です。当然、打鍵音は小さめ

  • 連射ボタンやL/R3、SHAREボタン、PSボタンは側面に

静音設計だからといって使いづらいことはありません。初心者から上級者まで安心して使えるのではないでしょうか。筆者が触れてみたところ、静音設計は、ボタンよりレバーの恩恵が大きいと感じました。一般的なアケコンでのプレイで発生する「ガチャガチャ音」は、慣れないとかなり大きく聞こえるはず。静かな家のなかであればなおさらです。

ですが、本機であれば自宅のプレイでも家族へ配慮したプレイが可能。先ほども述べた通り、隣り合わせで対戦するオフライン大会にもオススメですよ。

【動画】静音モデルと通常モデルの音の比較

  • 本体奥の側面にはケーブル収納とPS4用のタッチパッドを完備

  • 底面のネジ止めのひとつに貼られたシール。これを剥がすと補償外になるので注意です

  • 「DUALSHOCK 4」とのサイズ比較

  • 配列:ビュウリックス配列
  • 連射:5回・12回・20回/秒
  • OPTIONボタン:天面
  • トーナメントモード:あり
  • PCインプット:Xinput
  • PS4タッチパッド:あり
  • カスタマイズ:補償外
  • 価格:18,980円(税別)