昨年に公開されたオリジナルアニメーション『キミだけにモテたいんだ。』のBD&DVDが2月26日に発売された。今回、本作で声優&アーティストデビューを果たしたハイスクールチルドレン・富園力也に焦点を当てる。
俳優を目指して17歳で地元・神戸から単身上京したという富園は、2018年に行われたオーディションで過酷な選抜を勝ち抜き、石橋弘毅、高橋奎仁、田淵累生、福井巴也とともにハイスクールチルドレンを結成。アニメに限らずドラマ、2.5次元舞台、音楽など領域を超えてマルチに活躍できるグループとして、そのスタートラインに立った。
現在、様々なフィールドで経験を積みながら邁進中の彼に、インタビュー前半では『キミだけにモテたいんだ。』について、後半では上京のきっかけや夢を語ってもらった。
●僕が女子だったら、幸太郎と付き合います
――まず『キミだけにモテたいんだ。』に対して、どんな第一印象を抱かれました?
モテの頂点を目指す“モテメン甲子園”が題材になっているので、「モテメン甲子園って何だ!?」というところから始まりました(笑)。インパクトがありましたね。
――そんな中で、富園さんが演じられた戸島幸太郎は「かわいすぎて逆にモテない」という役どころでした。
最初オーディションのときは(モテメン部の)5人のセリフを練習していたんですけど、そこから幸太郎役に選んでいただいて。幸太郎は容姿も仕草もかわいくて、あざとい部分もあるから、なかなか女の子との距離が縮まらないんです。
――告白して振られるシーンもありましたもんね。もし富園さんが女の子だったら、幸太郎に告白されたら付き合いますか?
付き合いますね。
――どんなところがいいと思います?
かわいいところ。あはははっ(笑)。作品に関係なく、僕が女性だったらかわいい系の男性を好きになるとは思うんですけど。幸太郎はとにかくかわいいです。
――アフレコは今からちょうど1年前ぐらいの出来事になりますが、メインキャストが斉藤壮馬さん、内山昂輝さん、松岡禎丞さん、梅原裕一郎さん、石川由依さん、と大先輩に囲まれての初アフレコはいかがでしたか?
本当に体が動かなかったです。カッチカチになってしまって。ちゃんと声が出せるか怖かったんですけど、そこは事前に声出しをして、なんとか……。
●7テイクぐらい録り直したセリフがあるんですよ
――当時のインタビューではマイクワークを皆さんから褒められていましたが、そこはレッスンの成果がうまく出せたと。
はい。オーディションに合格してから、ボイストレーニングやいろんなレッスンを受けさせてもらっているんですけど、マイクワークもそこで学んで。初めて実際の現場に入って、やっぱり空気を読むことと気を使うことが大事だなと感じました。
――演技のほうはどうでしたか?
大変でしたね。7テイクぐらい録り直したセリフがあるんですよ。先輩がいる中で録り直すのでガチガチになってしまって、「1回ちょっと楽にしよう」ってストップがかかって。そのときは冷や汗がすごかったです。(ハイスクールチルドレンの)メンバーが別室で演技を聞いてくれていたんですけど、良いとも悪いとも言われなくて逆に不安になることもありました。
――無事に完成してよかったですね。
本当に安心しました。完成した映像を見返したとき、自分の演技が慣れてないなと思ったんですけど、その慣れてない感じがむしろ幸太郎らしいというか、そこも踏まえて起用していただけたんだなと感じて。告白のシーンは特に、僕自身の緊張感も相まっていい雰囲気が出ていると思います。
――共演したキャストの皆さんとのエピソードについてもぜひお聞きしたいんですが、2018年末に「気になる男性声優」として挙げられていた松岡さんとの共演がさっそく実現しました。
感動して、お話している間もずっと鳥肌がたっていました。
――気になっていた理由というのは?
あの時期は『Re:ゼロから始める異世界生活』や『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』などを観ていたんですけど、そこで「すごいな」と思って。ほかの作品でも様々なキャラクターをやられていて。それで気になっていました。
――松岡さんとの最初の会話って覚えていらっしゃいますか?
禎丞さんの誕生日が9月17日なんですよ。僕は9月16日生まれなので、「誕生日が1日違いなんです」って言いました。ふふふっ(笑)。あとはもう、「『ソードアート・オンライン』とかをずっと見させていただいてます、すごくかっこいいです」っていうのをお伝えして……(笑)。アフレコ中もアドバイスをいただいたり、役作りについて教えていただいたりして、ただ声色を変えればいいんじゃなくて、内側の性格や呼吸があってのキャラクターなんだということがすごく伝わってきました。現場でたくさん勉強させてもらいましたね。
――ハイチルメンバーの4人も出演されていますが、その印象についても教えてください。
4人ともビジュアルを見ながらそれがどんな人物なのかを考えていて、巴也くんは地声は低いんですけど、その絵に合わせて優しく柔らかい声にしているので、「しっかりこの人を演じてるな」っていうのは伝わってきました。いつもと違う声なので見ていて面白かったです(笑)。
●主題歌はずっと口ずさんで練習していました
――主題歌「ハイスクールプリンセス」は富園さんにとって初めてのキャラクターソング、そして初めてのレコーディングでしたが、どのような思いで歌われましたか?
モテメン甲子園に出場したことで友情が深まったり、本当の恋の気持ちを知ったりしたあとの成長した幸太郎を表現できるように、キラキラしたところを見せたいなと思って。だから、「キラキラしてるぞ!」という気持ちで歌いました。
――CDにはハイスクールチルドレンver.も収録されていますが、そちらのほうは? ソロパートはモテメン部ver.と同じく「24時間 僕はそれだけ想い続けるよ」というフレーズでしたね。
(そこだけ切り取ると)超重たいですよね(笑)。どんな歌い方をしたらそれが伝わるだろうかって考えたときに、幸太郎とはまた違って、僕だったらその気持ちを思いっきり伝えたいなと思ったんです。このワンフレーズにはその思いを込めました。
――挿入歌の「愛の鎖」については後半でお伺いするとして、先日、『キミモテ』のBD&DVDが発売されました。どんなところを見てもらいたいですか?
まずは絵、ですね。すごくきれいで、感情の描写も繊細に描かれているので、まずそこを見てもらいたくて。あとは本当に幸太郎を見ていただきたいです。僕のお気に入りは振られたときの「どうして」なんですけど、一番見てもらいたいのは、ラストの告白シーンです。
――ありがとうございます。ちなみに、もしモテメン甲子園が実在したら、出場してみたいですか?
出場してみたいです。やっぱり楽しそうだなーって見ていて思って。
――ご自身のモテ要素で何か自信のあるところはあります?
そうですねぇ……。僕、食べることが好きなんです。だから、いっぱい食べるところかな。そこを見てもらいたいですね。