独特な世界観を持ち、エンタテインメント性の高さと魅せるパフォーマンスで多くのオーディエンスを続々と魅了し虜にしている、メインダンサー&バックボーカルグループ超特急。これまで様々なアリーナはもちろん、日本武道館での単独公演も実現させて名前の通り超特急のように走り続けている彼らだが、昨年末から2020年の年始早々にも東阪でのアリーナツアー「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020 Revolucion viva ~Shine Bright New Year~」を実施した。

大阪城ホールと代々木第一体育館で公演を行ったが、大阪と東京ではセットリストが異なり、大阪ではクリスマスメドレー、東京では殺陣のパフォーマンスに挑戦。年末年始にもかかわらず会場に詰め掛けた多くの8号車と呼ばれる彼らのファンを大いに熱狂させた。そんな彼らのパフォーマンスを完全収録したBlu-ray『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020 Revolucion viva』が25日に発売された事を受け、今回は超特急メンバーにインタビュー。

実はメンバー自身が演出や衣装プロデュースに携わっており、自分たちでライブを作り上げている彼ら。今回のインタビューで見えてきたのは、「面白い」という取っ掛かりの奥にある、他のダンスボーカルグループとは異なる様々な「超特急ならではの強み」を意識する姿だ。彼らは観客も、そして自分たちも楽しみながら、更に高みを目指していくために、ストイックに考え、行動している。

インタビューでは、2回に分けてツアーを振り返る。前半では、ライブ演出を手掛けたユーキの「ショーを作り上げるまでの想い」や「今だからできた」挑戦、「理想へ向けた熱い想い」と、衣装プロデュースをしたタクヤの情熱とこだわりの様子を紹介。さらに、超特急メンバーへ「最近アガった出来事」を直撃! 今回はカイがハマっている音楽のジャンルや、リョウガの「趣味に直結した嬉しい出来事」を聞いた。

  • 超特急

    左からカイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシ 撮影:泉山美代子

■“挑戦”によって、演出・ユーキ理想の“ショー”へと近づいていく。

――初めに、今回のライブ『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020 Revolucion viva』をどのようなライブに作り上げようとされたのでしょうか。

ユーキ:僕はライブの演出を毎回担当させて頂いていますが、今回は結成日を迎えるタイミングでもあるので、まずは8号車(超特急のファンの総称)の皆さんに感謝を伝える事を第一に考えました。それに今回ライブを行うタイミングは年末年始でもあるので、クリスマスでは皆さんと一緒にお祝いを、年始は「新しく始まる超特急」を感じてもらえるような内容も盛り込みました。

特に年始のライブでは今までにない大人の色気を感じさせる「これまで以上に観せるライブ」を意識しました。そのため、演出でも椅子を使ってダンスをする「Body Rock」はじめ、選曲・演出ともに超特急の“わちゃ”っとした側面よりは、少し落ち着いた雰囲気のステージに寄せたものにしてみました。

今回のライブでそのような方向に振れたのも、今までにはない新しい雰囲気や、テイストを持った楽曲が増えた事も大きいと思っています。持ち曲も100曲以上になって様々な曲をパフォーマンスさせて頂く中、「今なら大人な色気を見せられるんじゃないか」と思えるようになってきた事もあって、今回は振り切った方向へ挑戦する事ができました。

――今回のライブでは雰囲気的な所での挑戦はもちろん、身体的なパフォーマンス部分でも様々な事に挑戦されていますね。殺陣や大人数でのダンス、先ほどのお話に上がった椅子のパフォーマンスなどが挙げられます。

ユーキ:そうですね。これまで9年近い活動の中で培ってきた色々な経験を土台に、新しい事にも挑戦をさせてもらいました。例えばダンスでは今まで挑戦してこなかった、R&Bやシアタージャズ、ガツガツのヒップホップなど、より “パフォーマンス”に振り切ったものを多々取り入れました。

あと東京公演では殺陣にも挑戦をしましたが、これまでだったら「殺陣は殺陣」「ダンスはダンス」と切り離していたものを、全て1つに融合させて、僕が理想としている“ショー”のスタイルへ少し近づけるような内容にしてみました。加えて、メンバーの個性を活かしたダンスやパフォーマンスを、ジャンル問わずにやってみたかったので、殺陣の中にもそれをショーの要素の1つとして取り入れました。例えばリョウガだったら刀ではなくて扇子を使いながら艶やかに舞うように戦ったり、カイとリョウガのパートでは傘を使った鮮やかなパフォーマンスを組み込ながらその中にダンスを入れたり。

今回のパフォーマンスはこれまでやってきた様々な経験は決して無駄じゃなかったと思えましたし、今回の経験を糧にさらにパワーアップしたステージを目指していけたらと思っています。人は挑戦して、成長していくものだとも思っているので、今後も更にパワーアップをさせながら、より面白いステージを目指していけたらと思っています。

■「ユーキの演出を尊重し、委ねる」メンバーの信頼関係

――ちなみに総合演出でユーキさんがライブをプロデュースされる中、メンバーの皆さんから「こういう事をやろう」といった意見出しなどはあるのでしょうか?

タクヤ:僕は演出でユーキが入ってくれているので、どうしても気になる事がある時以外はユーキの演出を尊重したいと考えています。彼の見せ方は、今までのライブを観てきている中で、決して間違っていないと思うんです。なぜなら、皆さんがライブを観て、笑顔になってくれている。それはユーキの演出が8号車の皆さんにも届いているからこそなのかなと。

だから僕が言うとしたら、「どのくらいの間を空けて次の曲に入った方が良い」とかパフォーマーとしての観点で気付いた事を言うくらい。僕は、本当にユーキに“委ねてる”感じです。

――先ほどユーキさんからも「メンバーの個性を最大限活かせる方法」を念頭に演出をしているお話が出ました。皆さんがユーキさんを信頼し、演出に対しては最大限のパフォーマンスで応える……という座組が超特急には出来上がっているんですね。

タクヤ:まさに、その通りだと思います。

一同:(頷く)