初代G-SHOCK「DW-5000C」の遺伝子を受け継ぐフルメタルスクエアモデル「GMW-B5000」。その表面にDLC加工を施し、DLCの被膜部分だけをレーザーで剥離して個性的なデザインを創出した「GMW-B5000TCM」が、2019年秋冬の新製品発表会で大きな話題となったことは記憶に新しい。

このCMF(Color、Material、Finish)デザインの視点から、新しい表現に挑戦した最新モデルが「GMW-B5000CS」だ。機能や仕様などの概要は別記事『G-SHOCK、スクエア型フルメタルの新作はグリッド柄「TIME TUNNEL」』をご覧いただくとして、ここではその外観とディテールを写真でじっくりとお届けしよう。GMW-B5000CS-1JRの価格は96,800(税別)、5月の発売予定。

  • G-SHOCK・フルメタルスクエアモデル「GMW-B5000」

    G-SHOCK「GMW-B5000CS-1JR」

今回もこだわりのCMFデザインが炸裂(さくれつ)!

GMW-B5000CS-1JRのベースモデルは、SS(ステンレス・スチール)製のケースとバンドを使用した「GMW-B5000D」。このSS部分にブラックIPをかけ、レーザーでその被膜を剥離することで全身にくまなく「Grid Tunnel(グリッド・トンネル)」を彫刻している。レーザーの出力など詳細は異なるが、基本的な技術は冒頭に書いたGMW-B5000TCMに近いという。写真を拡大してよく見ると、ラインの色は確かにSSの金属地、シルバーであることがわかる。

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    未来的な全身の格子状ライン

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    IP剥離部分の地金の色がおわかりいただけるだろうか

カシオによれば、この意匠は「過去から未来への時の流れ」を意味しており、1983年の誕生以来、時を超えて形を変えず進化し続ける「5000」シリーズのコンセプトを投影しているという。と同時に、設計時に使用されるCGのワイヤーフレームのイメージも込めたそうだ。

一見すると、単純に縦横のラインを彫刻しただけに見えるかもしれない。が、実は今回も非常に細かく配慮されたデザインとなっている。たとえば、風防のガラス裏面にレーザー彫刻部と同じ調子でラインをプリント。しかも、ソーラーセル部にかかると集光効率が低下する(!)にも関わらず、デザイン性を優先しているのだ。

その端を目で追っていくと、ベゼルの放射状ラインへとキレイにつながっていることがわかる。ここはいわばトンネルモチーフの「キモ」部分なので、チリを合わせるのは確かに必須だ。が、実際はそんな「やって当然」のひとことで片付けられる工程ではないはず。何しろ、パーツの素材もラインの描画方法も異なるのだ。それをここまで違和感なくつなげるには、相当な技術や工夫がなされていると思われる。

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    風防上のラインが、ベゼルの放射状ラインへしっかりとつながっている

このほかにも、5000シリーズ伝統ともいえるバンドのすり鉢状のくぼみにレーザーがかからないよう工夫されたデザイン(*)や、バンドの各コマのギリギリに描かれた縁取り、裏ぶたの着色にはIPでなくDLC(Diamond-Like Carbon)を奢り、斜面部分にまで彫刻を施すなど、製造の難しさを考えると気が遠くなりそうな見どころが満載だ。なお、バンドの留め具は、スポーティーで高級感ある三つ折れ式無垢バックル。

*:くぼみの斜面や底面に、レーザーを垂直に当てることが難しい

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    すり鉢状のくぼみを避け、かつ円を組み合わせることでデザインに変化を与えている

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    バンドのコマの縁ギリギリに描かれたライン。歩留まりが心配になる

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    裏ぶたはより美しく、より耐久性の高いDLC処理。そして、斜面にもグラフィックが!

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    ラグとバンドの接続部には、装着時のフィット感を向上させる工夫がされている

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    高級感がうれしい三つ折れ式無垢バックル

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    クラスプ(中留)に描かれたG-SHOCKロゴも袋文字の特別仕様

重さは167gと、結構ズッシリとくる重量感。だが、見た目のインパクトや存在感はそれ以上。友人や同僚の視線を釘付けにすること間違いなしの1本だ。

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    ビジュアルに表れるこの重量感!

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    バックライト点灯状態