米NVIDIAは3月23日(現地時間)、「GeForce Game Ready Driver Version: 445.75」をリリースした。このバージョンではパフォーマンスの最適化等に加えて「DLSS 2.0」が追加された。
DLSSは、GeForce RTX 20シリーズで利用できる機能。RTXが搭載するディープラーニングに用いられる「Tensorコア」によってゲーム映像フレームに対してアンチエイリアシングなどの処理を行なうものだ。フレームレートを向上させることができ、すでにいくつかのゲームタイトルでサポートされている。
DLSS 2.0では旧DLSSに対して画像品質の向上、2倍の高速化などがうたわれている。DLSS 2.0対応タイトルとしては「Deliver Us The Moon」、「Wolfenstein: Youngblood」、「MechWarrior 5: Mercenaries」が挙げられており、これらはすでに利用可能とされる。また、3月26日には「Control」がDLSS 2.0対応アップデートを行なう予定とされる。DLSS 2.0はDLSS Developer Programを通じゲームエンジンの「Unreal Engine 4」で利用可能とのこと。
まずDLSS 2.0では「Quality」、「Balanced」、「Performance」の3つのモードが利用可能になる。3つのモードによって内部レンダリング解像度が制御され、たとえばPerformanceモードでは最大で4倍の超解像度へ、つまり1080p映像を4Kにスケーリングするといった処理が行なわれると言う。
パフォーマンスや品質に関してはいくつか例が示されているのでそれを見ていこう。
Controlを用いた比較映像では、旧DLSSとDLSS 2.0のQualityモードが比較されている。レイトレーシングを有効とした1080pでの映像だが、映像内のテキストはDLSS 2.0のほうがシャープに映っており、ダクトファンのシーンでは旧DLSSの場合もやっとした何かが手前にあるように映るだけだが、DLSS 2.0ではそれが金網だと識別できるほど映像品質が向上している。
もちろん、DLSSを使わないオプションでは金網として表現されているが、DLSSの場合はフレームレートの向上もある。Controlのフレームレートグラフでは、1920×1080ドット時でDLSS 2.0オンによってフレームレートが1.5倍程度へ、2560×1440ドットで1.7倍へ、3840×2160ドットで平均3倍へと向上するとしている。
Deliver Us The Moonも同様、DLSS 2.0のQualityモード、ゲームの最高画質とレイトレーシングをONとした状態でグラフ化されているが、FHDで1.5倍、WQHDで1.6倍、4Kで2.4倍となっている。ほか、DLSS 2.0の映像品質やMechWarrior 5: MercenariesやWolfenstein: Youngbloodでのパフォーマンスグラフなど、同社サイトに掲載されているので、ご興味のある方はチェックしてほしい。
なお、旧DLSSではゲーム毎にAIネットワークによる学習が必要で、タイトルがDLSSを適用できるようになるまで時間を要していたところ、DLSS 2.0では特定のゲームに特化していないコンテンツを使ってトレーニングを行うため、ネットワークが汎用的に、さまざまなゲームに適用可能になると言う。