最新のA12Z Bionicチップとダブルレンズカメラを搭載する新しい「iPad Pro」が3月25日に発売となります。同じ日に公開されるiPadOS 13.4によってさらに使いやすくなるiPad Proの魅力を、実例を交えながら実機で深掘りレビューしてみたいと思います。
キーボード&マウス入力がますます便利に
筆者は、Liquid Retinaディスプレイを搭載する12.9インチのiPad Proを2018年11月7日の発売日に“即買い”して以来、仕事とエンターテインメントの両方でヘビーに使っています。筆者は、記者としてイベントや展示会の取材に出かけ、そのまま外で速報の原稿を仕上げる機会も多いため、iPad Proの高い処理能力とスリムで軽い機動力に惹かれて購入しました。
デジタルカメラで撮影した写真の編集やテキスト作成の作業はPC並みに、あるいはそれ以上の実力で軽々とこなせると感じます。2019年にMacBook Airを新調したので、現在は取材の内容に応じてiPad Proと使い分けています。
iPad Proを仕事の現場に持ち出すと、ライター仲間や編集者の知り合いに「iPadって仕事にも使える?」と尋ねられることがよくあります。相手がおもに文書を作成する仕事に携わっている場合は、私のiPad Proの活用方法を伝えれば少しでも役に立つかもしれない…と思いながらいつも答えています。
テキスト入力については、iPad Pro専用に設計されたアップル純正の「Smart Keyboard Folio」を使っています。サードパーティのBluetoothキーボードにも多くの選択肢があるのですが、Smart Keyboard FolioはiPad ProのSmart Connectorから給電ができるアクセサリーなので、充電や電池の入れ替えが必要ありません。iPad Proの画面を保護する堅牢性の高いキーボード付きカバーとしても、現状最もスリムな商品だと思います。
最新のiPadOS 13.4から、アップル純正の「Magic Mouse 2」や「Magic Trackpad 2」のほか、サードパーティ製のBluetooth対応ワイヤレスマウスをiPadにペアリングして使えるようになります。従来のiPad OSもマウスのペアリングには対応していましたが、「アクセシビリティ」の中の少し入り組んだ場所にペアリング設定のメニューが配置されていました。iPadOS 13.4からはAirPodsやApple Watchと同様に、Bluetooth設定の機器リストに表示されるマウスやトラックパッドを選択するだけで、一発でペアリングが完了します。
マウスカーソルも、従来のiPadOSでは少しずんぐりとしていましたが、新しいiPadOS 13.4からはサイズがコンパクトになり、さらにカーソルが置かれている場所に応じて自動的に最適な形状に変わるようになります。
iPadを手に宅内を歩き回りながらIoT機器を操作したり、HomePodで再生したいApple Musicの楽曲を選択する時には、今まで通り画面を指でタッチする操作が有効だと思います。しかし、iPad Proでマウスが使えるとなると、特にデスクワークで画面にタッチする回数がぐんと減ります。Pixelmator Photoアプリによる写真のレタッチ編集作業は、マウスを使いながら細かい調整作業ができるようになり、心強く感じています。
新しいiPad Proを試用している間、1日の終わりになって「今日はMacを立ち上げないでiPadで仕事をやり切ってしまったな」と初めて気が付くこともありました。iPadでマウスが快適に使えるようになると、Apple Pencilによるペン入力と合わせて百人力だと感じます。
Magic Trackpad 2は、マルチフィンガーによるジェスチャー操作にも対応しているので、iPadの画面をタッチするような操作感がそのままトラックパッドで再現できるとても相性の良いアイテムだと思います。欲をいえば、マウスと両方手に入れたいところです。