アップルが新しい13インチのMacBook Airを発表しました。キーボードの打鍵感を安定・向上させ、パフォーマンスを強化したのが特徴です。今回は、2019年モデルのMacBook Airを普段から使っている筆者が、ファーストインプレッションをお届けしたいと思います。
デザインは従来と同じだが、わずかに厚みが増した
MacBook Airは、パームレスト側に向かってボディが薄くなる独特のウェッジシェイプ(くさび形)のデザインを特徴としています。パネルを閉じれば手に馴染みやすくなり、1.3kgを切る軽さも大変魅力的。イベントや発表会に出かけて、取材したことをすぐその場でレポートする機会が多い筆者ですが、MacBook Airを仕事のメインマシンに選んでから今年で10年になります。
2020年モデルのMacBook Airの外観は、2019年モデルから大きく変化していません。今回取材のため借りたモデルが、偶然筆者が所有するカラーバリエーションのゴールドと同じだったので並べてみましたが、色あいは一緒です。折りたたんだ状態で比べてみると、ほんのわずかに新しいMacBook Airのほうが高さが増しています。どちらも、ボディのメイン素材には100%再生アルミニウムを使っています。
キーボードは打鍵感が安定し、静粛性がアップ
新しいMacBook Airには、シザーメカニズムを採用するMagic Keyboardが搭載されました。新規に設計されたシザーメカニズムとの間にアップル独自設計のラバードームを配置し、打鍵感を安定させました。キーストロークは1mmを確保しています。
キータイピングの手応えは、人それぞれに好みがあるもの。筆者は、現在使っているMacBook Airのバタフライ式キーボードに愛着がわいているので、新旧どちらのキーボードも良い出来映えだと感じました。
ただ、確かに言えることは、新しいMagic Keyboardのほうがそれほど意識しなくても打鍵時の音を静かに抑えることができます。また、長時間文書を書き続けたら、新しいMagic Keyboardのほうが疲れを感じにくいかもしれません。
キーボードに関する変更点はもう一つ、矢印キーが逆T字型の配列になりました。2019モデルでは、上下キーを押そうとした時に左右キーに触れてしまうことがあったので、新しいキーレイアウトは大歓迎です。
内蔵スピーカーの改良でエンターテイメントも快適に
新しいMacBook Airは、インテルの第10世代の最新コアプロセッサを採用しました。CPUに内蔵しているグラフィック機能もIntel Iris Plus Graphicsになり、画像処理のパフォーマンスも向上。MacBook Airとしては初めて、最高6K解像度の外部ディスプレイ出力に対応しました。
ふだんはテキストを書くのが専門なので、動画の編集などはあまりやらないのですが、新しいMacBook AirのほうがAdobe Photoshopなどの画像管理・編集ソフトで大量の写真データをより素速くさばけるようになっていると実感します。ふだんの作業もスピードアップしそうです。
エンターテインメントPCとしても、MacBook Airは一段と魅力的になりました。内蔵スピーカーによるオーディオ再生が一段とリッチになり、Apple Musicなど音楽コンテンツのステレオ再生の音場再現がより立体的に感じられます。さらに、Dolby Atmosの再生にも対応したことで、Apple TV+やNetflixなど動画配信サービスのプラットフォームに続々と増えているDolby Atmos対応の映画・ドラマなどのコンテンツが、作品の舞台に吸い込まれそうになるほど臨場感あふれるサウンドとともに味わえます。
今回登場した新しいMacBook Airも、仕事とエンターテインメントの両方で快適さを実感するために欠かせない大事なポイントをしっかりブラッシュアップしてきた印象を受けました。
デュアルコアプロセッサを搭載した標準仕様のモデルは、内蔵ストレージの容量を2倍に増やしながら、価格は2019年モデルよりも15,000円ほどお手ごろな104,800円(税別)に抑えています。上位モデルは、MacBook Airとしては初めてクアッドコアプロセッサを搭載しているので、パフォーマンス重視の人はこちらも要注目といえます。正直、筆者は新しいMacBook Airをこれから購入するユーザーがとてもうらやましいです。