NHKは19日、俳優の窪田正孝が主演を務める2020年度前期NHK連続テレビ小説『エール』(3月30日スタート)に、音楽の世界を彩るキャストとして井上希美、柿澤勇人、小南満佑子が出演することを発表した。3人とも朝ドラ初出演となる。
朝ドラ102作目となる『エール』は、全国高等学校野球大会の歌「栄冠は君に輝く」や阪神タイガースの歌「六甲おろし」など、スポーツシーンを彩る応援歌の数々を手掛けた福島県出身の作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏をモデルに、音楽とともに生きた夫婦を描く物語。古関氏をモデルにした主人公・古山裕一を窪田正孝、妻となる関内音を二階堂ふみが演じる。
井上が演じるのは、裕一作曲の「船頭可愛や」を歌う歌手・藤丸(ふじまる)。げた屋の娘だが、芸者として歌手デビューする。柿澤が演じるのは、コロンブスレコードの歌手・山藤太郎で、慶応義塾大学卒業後、音楽学校の声楽科で学び、金を稼ぐため流行歌を歌っている。そして、小南は、東京帝国音楽学校の声楽科の生徒で、ソロリサイタルも開催するほどの実力者、音の良きライバルとなる夏目千鶴子を演じる。
新キャスト3人と制作統括・土屋勝裕氏のコメントは以下の通り。
■井上希美
はじめまして、井上希美です。私が演じさせて頂く藤丸にとって、音楽は救いであり、生き甲斐であり、苦しみでもあります。ですが、どんな時でも前向きに、自分らしく生きている藤丸から、私は日々の彩りと生きる力をもらっています。『エール』と藤丸に私を導いてくださった皆様、ありがとうございます! ちょっと、いや、随分と「個性的」な役ですが、ひたむきに、精一杯藤丸を生きて参りますので、どうぞ、温かく見守っていただけたら幸いです。
■柿澤勇人
今回、朝ドラ『エール』に参加させて頂くこと、とても嬉しいです。僕が演じる山藤太郎役は藤山一郎さんがモデルとなる人物。昭和の偉大な名歌手です。まさか自分がそのような偉大な方を演じるとは思ってもなく驚きました。「丘を越えて」「長崎の鐘」を歌うにあたり、撮影に入るまでに何度も藤山さんの歌唱や発声を勉強して現場に臨みました。窪田さんとは数年ぶりの共演ですが、窪田さんがいるだけで現場の雰囲気が温かく、和やかになるのがとても印象的でした。古山裕一に少しでも良い影響を及ぼせるよう、そして作品に貢献できるよう、努めたいと思います。
■小南満佑子
この度初のドラマ出演で憧れの連続テレビ小説に出演させて頂き大変光栄です。私自身、10歳から声楽を学び世界を目指して勉強してきましたので、この役に運命を感じ感謝の気持ちでいっぱいです。最初はツンとした千鶴子ですが、音さんとの出逢いにより沢山の刺激を受け次第に歌手として、人としても成長していきます。劇中では、幾つかオペラアリアも歌います。2020年の日本の朝に音楽の力で沢山の方へエールを送らせて頂ければと願っています。
■制作統括・土屋勝裕
今回発表する出演者の皆さんは、とにかく歌が上手い! 東京に出てきた裕一と音が出会う、一流の音楽の才能を持った人です。音楽を志すもの同士として仲間になり、良きライバルとなっていきますが、皆、一筋縄ではいかない個性的な面々。裕一と音の人生に大きな影響を与えていきます。ということで、実際に演じて頂くキャストの皆さんも、お芝居はもとより歌が得意な俳優のそろい踏みとなりました。皆さん、ミュージカルの第一線で活躍されている俳優たちですが、他にも『エール』には、山崎育三郎さん、吉原光夫さん、古川雄大さんと、ミュージカル界からたくさんのキャストに参加して頂いています。実は、古山裕一のモデルとなった古関裕而さんは、日本での本格的なミュージカルの黎明期に、数多くの舞台の音楽監督をつとめ、日本のミュージカル発展に大きく貢献しました。そんな日本ミュージカルのDNA を引き継いだ俳優の皆さんが加わって、『エール』はどんどん豪華に、ますます面白く盛り上がっていきます。どうぞ、お楽しみに!