東京オリンピックの聖火が、いよいよギリシャ(アテネ)から日本に運ばれてくる。聖火特別輸送機「TOKYO 2020号」が18日の午後、羽田空港を飛び立った。現在のところ20日に宮城県(航空自衛隊 松島基地)に帰着する予定。聖火リレーは26日から121日間の日程で、福島県を皮切りに日本列島を駆け巡るスケジュールが組まれている。
気がかりはコロナの影響
TOKYO 2020号は、東京オリンピック・パラリンピックのオフィシャルエアラインパートナーである全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)が共同運航するもの。JAL保有のボーイング機に、特別仕様のデカールが施されている。
当初、羽田空港では出発セレモニーの開催が予定されていた。柔道の野村忠宏さん、レスリングの吉田沙保里さんを招いたイベントは、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で急遽中止に。そればかりか、東京2020組織委員会のメンバーのTOKYO 2020号への搭乗も取り止めとなった。
関係者によれば(17日夕方の時点では)組織委員会のメンバーがアテネまで搭乗して、聖火の引き継ぎ式に備える予定だったという。しかし17日の夜にIOC、組織委員会、HOC(ギリシャ・オリンピック委員会)で協議したところ状況が変わった。「折しもヨーロッパでは、EU圏外からの移動を原則禁止する方針が決まったばかり。ギリシャ国内の状況も、日に日に変わっています。こうしたことから、すでにギリシャ入りしているメンバーのみで現地対応することになりました。引き継ぎ式の詳細については、これから詰めていきます」(先の関係者)。
ヨーロッパを中心に感染者が増加しているとの報道もあり、現地で実施される式典が縮小される可能性も充分に考えられる。