• ドコモ5Gサービスの端末タッチ&トライ会場にて

NTTドコモ(以下、ドコモ)が2020年3月25日から5Gサービスの提供を開始します。合わせて、スマホを含む全8機種の5G端末と、大容量100GBの5Gデータ通信を利用できる「5Gギガホ」などの料金プランも発表しました。5Gギガホの契約者に向けて、当面の間はデータ容量が無制限に使えるキャンペーンも実施されます。

3月18日にドコモが開催した記者発表会は、新型コロナウィルスの影響を配慮してYouTubeなどオンラインメディアによるライブ中継で開催。発表会には同社代表取締役社長の吉澤和弘氏が登壇し、5Gのサービスやドコモが取り扱う5Gスマホの詳細などを説明しました。

すべての5G周波数帯をフル活用、2023年度中に全国エリア展開を目指す

提供時期が長らく「2020年春」とされてきたドコモの5G商用サービス、開始日は2020年3月25日に決まりました。28GHz帯のミリ波に加えて、3.7GHz帯と4.5GHz帯のSub-6帯を含む3つの新しい周波数をフルに活用しながら、高速大容量ネットワークを提供します。

  • ドコモが5G商用サービスの詳細を発表。3月25日にスタートすることが明らかになりました

吉澤氏は「5Gの基盤となる特定基地局を全国に広げて、ドコモのソリューションを全国に普及させるための基盤展開率を上げることが大事」としながら、2023年度中に全国97%の基盤展開率を達成すると宣言しました。ドコモは5Gプレサービスの開始時から5Gのエリアを積極的に拡大してきましたが、97%のカバー率に到達するということは、つまり日本全国が5Gエリアのカバー対象になるということを意味しています。

2020年3月の5G商用サービスの開始時点では、全国150カ所(エリア)で利用可能。通信速度の最大値は受信時(下り)3.4Gbps、送信時(上り)182Mbpsとしています。その後、東京五輪の開催が予定されている夏前の6月末までには、全国の五輪大会主要施設に5Gエリアを設け、通信最大速度も受信時4.1Gbps、送信時480Mbpsに引き上げる計画を立てています。

  • ドコモが新しい5Gの周波数帯をフルに活用したサービス展開を全国に広げていくと宣言しています

続いて2021年3月末までには、さらに基地局設備を拡充して、全国の政令指定都市を含む500都市に導入。2022年3月末までには2万局以上に広げる見通しです。これが実現すれば、ドコモが当初見込んでいた開設計画よりも、2年弱の前倒し実施が果たされる格好です。

  • フレキシブルな5Gエリア展開のため可搬型の移動基地局も活用されます

  • 夏に開催される予定の東京五輪の実施に合わせて国内の5Gエリアを広げます

3機種のミリ波対応モデルを含む「ドコモの5Gスマホ」

ドコモの5G端末として、スマホが7機種、Wi-Fiルーターが1機種、発表されました。スマホの3機種とWi-Fiルーターは、ミリ波5Gのサービスにも対応を予定。そして5G対応の全機種がLTEエリアでも使えます。5Gスマホの予約受付は、3月18日から順次開始されます。

  • 5GスマホのGalaxy S20+ 5Gを壇上で紹介するドコモの吉澤和弘氏

  • 5G/4Gのドコモ2020年春夏新端末を発表

5Gのミリ波とSub-6の両対応としたスマホは、サムスンの「Galaxy S20+ 5G」が5月下旬以降に発売の予定。本機をベースにした東京五輪スペシャルモデル「Galaxy S20+ Olympic Games Edition」と、富士通コネクテッドテクノロジーズの「arrows 5G」が6月下旬以降に発売を控えます。

5GのSub-6対応機としては、サムスンの「Galaxy S20 5G」とシャープの「AQUOS R5G」が3月25日の発売予定(ドコモによる5Gサービスの開始日と同日)。

4月下旬以降には、LGエレクトロニクスの「LG V60 ThinQ 5G」と、ソニーモバイルの「Xperia 1 II」が発売予定。ソフトバンクが現時点で取り扱いを明言していないXperia 1 IIを、ドコモが一足早くラインナップに加えることを明らかにしました。

さらに、5Gのミリ波とSub-6に対応するWi-Fiルーターはシャープ製の「Wi-Fi STATION SH-52A」。5月下旬以降の発売が予定されています。