近年、耳にするようになった「隠れ高血圧」という言葉。「健康診断の数値は問題なかったし、自分には関係ない」なんて思っている人もいるのでは? そんな人も、じつは高血圧のリスクが隠れているかもしれない。放っておくと、いずれ重大な疾患を引き起こす原因になってしまう可能性もあるのだとか。「もしかしたら、自分もそうかも……?」そんな、健康が気になる人の強い味方が「トクホ商品」だ。
実際にどんな効果があるのか、サントリー商品開発センターにお邪魔して、南 尚子さん(ジャパン事業本部 商品開発部 開発主幹)、松岡 佳緒里(ジャパン事業本部 商品開発部)のお2人に「胡麻麦茶」を中心としたトクホ商品について話を訊いた。
そもそも「トクホ」って何?
――まず、「トクホ」とは、そもそもどのような商品なのでしょうか?
松岡:トクホとは、正式名称を「特定保健用食品」といいます。特定の機能性を持つ関与成分を含む食品で、消費者庁の許可を得て特定の保健の用途に適する旨を表示できる商品です。トクホの中でも、いくつか審査方法のパターンがあるのですが、通常、トクホは有効性・安全性を消費者庁が個別に審査したものになります。許可されると、「体脂肪を減らすのを助けます」「食後の血糖値上昇を穏やかにします」「おなかの調子を整えます」といった表示をすることができるんです。
――そうしたトクホ商品が、世に出だしたのはいつ頃のころなんですか。
南:2004年ぐらいに花王さんの「ヘルシア 緑茶」が全国発売されて、かなり広まったと思います。ただ、じつはその前に弊社もトクホ第1号として「ヨーグリーナ」や、その後「鉄骨飲料」を発売しているんです。
――えっ!? 90年代に流行ったあの「鉄骨飲料」がそうなんですか?
南:そうなんです。鷲尾いさ子さんのCMで有名だった頃には、まだトクホの制度がなかったんですが、1991年にトクホの制度が出た後、トクホ申請を出し、許可を得たのが「鉄骨飲料」なんです。でもトクホとして爆発的に広がったかというと、そこまでには至りませんでした。飲料よりも、どちらかというとヨーグルトとか、別の領域の食品の方が、ある程度のボリュームを作っていました。飲料で広がったのが、2004年以降ぐらいだと思います。
――サントリーから発売されているトクホ商品ってどのぐらいあるんですか?
南:代表的なものとしては、「胡麻麦茶」をはじめ、「黒烏龍茶」「特茶」、あとはコーラ飲料の「ペプシスぺシャル ゼロ」等が主流の製品です。
血圧が高めな人におすすめの「胡麻麦茶」
――いろんな種類の商品が発売されているんですね。今回はその中で、「胡麻麦茶」について詳しくお聞きしたいのですが、どのような商品なのでしょうか。
松岡:「胡麻麦茶」は、血圧が高めの方に効果があるものとしてトクホの表示許可を取得しています。もちろん、効果があるというところもそうなんですが、毎日飲み続けてもらいたいということで、味わいの方もかなり工夫して飲みやすくしています。ストレスを感じずに、美味しく飲んでいただける味づくりが特徴の商品です。
――健康に良くても、飲みにくいと毎日は飲めないですもんね。その飲みやすさというのは、どういう成分からきているのでしょうか。
南:「ゴマ蛋白分解物(ゴマペプチド含有)」と表示させていただいているものが、関与成分が含まれる原料になっているのですが、開発を始めたときはそのままだと飲みにくかったものを、必要な成分は残す工夫をして、あまり味の邪魔をしないようなものにこだわっています。それでもやはり、素材の味は残りますから、そこを生かしつつ色んな穀物原料をブレンドして、ちょっと甘みを感じるような風味に仕上げています。
――「胡麻麦茶」って、飲み心地がすごく良いので、ひと口飲むととても安心するように感じます。
南:ありがとうございます。私自身、開発スタート時から中味設計に携わってきたので、直接そうした感想をお伺いできると嬉しいです。