IIJ(インターネットイニシアティブ)から、スマホやタブレットのデータ通信容量をちょい足しできるプラン、「IIJmio eSIMサービス データプラン ゼロ」が発表されました。
eSIMを使ったもので、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクのユーザーも、(大手キャリアの契約はそのままで)利用可能です。「今月は1GBだけ追加購入したい」、そんなニーズに対応します。サービス開始は3月19日から。ここでは、メディア向けの発表会からお伝えします。
eSIMって? 対応端末は?
通常、スマートフォンやタブレットなどの通信端末には、キャリアの情報などを記録したプラスチックのSIMカードが挿入されています。eSIMは、その仕組みを端末内に組み込んだもの。eSIMの情報は遠隔から書き込めるため、データ通信サービスの開通や、通信キャリアの切り替えがスムーズに行えるようになります。
IIJの「データプラン ゼロ」は、すでにiPhone XS、iPhone 11などで利用可能な、そんなeSIMを活用したサービスです。SIMカードを入れ替えなくてよいので、現在の大手キャリアの契約は何ら変更する必要がありません。つまり、解約やMNPの手間がいらず、家族割もメールアドレスもそのままに、IIJmioのサービスを追加できるわけです。
ユーザーは、eSIM対応端末にプロファイルをダウンロードして、利用を開始。では、どんなデバイスで利用できるのでしょうか。IIJでは現在、データプラン ゼロの動作検証を実施中です。詳細はIIJのWebサイトを参照ください。キャリア端末の場合、SIMロックの解除が必要となります(eSIM対応のSIMフリー機なら、そのまま利用可能)。
2020年3月17日現在の動作確認済端末
- Apple iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR、iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max
- Apple 11インチiPad Pro、12.9インチiPad Pro(第3世代)、iPad Air(第3世代)、iPad mini(第5世代)、iPad(第7世代)
- Google Pixel 4、Pixel 4XL
- Microsoft Surface Pro LTE Advanced、Surface Pro X
- ASUS TransBook Mini T103HAF-LTE、T103HAF-GR079LTE
サービス概要、どんな使い方が?
データプラン ゼロは、データ通信のみのサービスとなります。使わなかった月は基本料金150円(以下すべて税別)のみ。毎月1GBまでなら+300円で、1GBを超えたら、1GBにつき450円の単位で追加購入していきます。業界最安の料金水準でインターネットを利用できるわけです。
具体的な利用シーンについて、IIJの亀井正浩氏は「メイン回線には大手キャリアの安心感が欲しい(でもデータ容量の追加は格安SIMで済ませたい)、そんな考えの人にぴったり」と紹介します。eSIM対応のパソコンやタブレットなら、スマホのテザリングやWi-Fiルータを使わずにインターネットに直接つなげられることから「外出先でのリモートワークにも最適」と亀井氏。
現在、NTTドコモでは「ギガライト」、KDDIでは「新auピタットプラン」、ソフトバンクでは「ミニフィットプラン」という段階制の料金プランを導入しています。いずれも決まった通信容量を超えたタイミングで、グンと通信費用が上がってしまいがちですが、然るべきタイミングでデータプラン ゼロを利用することで、通信費の削減につなげられるかも知れません。
注意したいのは、購入したデータ容量は翌月に持ち越せないこと。また、データ容量を使い切ると、eSIM経由でインターネットに接続してもIIJmioのページしか表示されなくなり、そこで追加のデータ容量を購入する仕組みです(もちろん、キャリアのSIMを有効にした場合は、普通に通信できます)。
データプラン ゼロを提供する狙いについて、IIJの矢吹重雄氏は「大手キャリアにはないサービスを、いち早く提供するのがIIJのミッションです。eSIM市場を作り、スマホの新しい利用シーンを創造していきたい」と意気込みます。ちなみに2019年の夏、IIJが提供を始めたeSIMサービス(ベータ版)については、利用者の約90%が男性だったとのこと。今回のデータプラン ゼロについても「ターゲット層は20代~30代の男性を想定しています」と話していました。