俳優の三上博史と女優の黒木瞳が、歌舞伎俳優の市川海老蔵が主演するフジテレビ系の特別企画ドラマ『桶狭間OKEHAZAMA~織田信長~』(仮、今夏放送)に出演することが16日、明らかになった。

  • 三上博史(左)と黒木瞳

圧倒的不利と言われた織田軍が今川義元の大軍を打ち破り、信長(海老蔵)を一躍戦国時代の覇者に押し上げた伝説の一戦“桶狭間の戦い”を題材とした時代劇の今作。三上は、信長にとって最大の脅威は駿河の大大名・今川義元を、黒木は、信長の実母・土田御前を演じる。

三上は「これまで、実在の人物を演じる機会は何度かありましたが、その都度、神経をすり減らしてきました。野口英世、宮沢賢治、中原中也、安倍晴明、鳥羽上皇、どなたにもお会いしたことがないのはもちろん、史実は断片しか教えてくれません。1人の世を生きた人物として、そしてその時代背景をみなさまに体感していただくには、どうしたらよいのか? それぞれの魂から叱責(しっせき)されないように、ありったけの想像力と直感と大胆な表現を駆使して、今回、今川義元に臨みます」と意気込みをコメント。

海老蔵とは初共演だが、「撮影のその時、そこに、ぼくらではなく、織田信長と今川義元がふわりと立ち現れればよいなぁ、と心から願っています」と語った。

一方の黒木は「昨年10月、市川海老蔵さんと、舞台『オイディプス』で、妻でありでも本当は母だったという役を演じておりましたので(今回のオファーが来たときは)何となくしっくりきました。市川新之助さんの時代から拝見させていただいていたこともあります。今回、母親役を演じさせていただいて光栄です」とのこと。

また、「海老蔵さんが信長と伺った時に、『視聴者の方はこれを待っていたのでは?』と思いました。“敦盛”のシーンも、華麗に舞うところに海老蔵さんならではの人間の業のようなものが入っていくのでは、と思いますので楽しみにしています」と話している。

高井一郎プロデューサーは「武士(もののふ)の苛烈が高貴な薄衣を纏(まと)ったかのような存在感を、と脚本の大森(寿美男)さんと考えていたときに、河毛(俊作)監督から最初に出たお名前が三上博史さんでした。実際にお会いしてみて、監督の目に間違いはなかった!!と思いました。全く新しい、底知れない今川義元が三上さんによって生まれると思います!」「女性らしさの中の剛性、であったり、母性の中の狂気、たおやかさの裏の激情、といった、共存する二面性三面性を、黒木瞳さんなら、軽やかに、そして凛(りん)と演じてくださるものと信じています」と期待を寄せた。