みなさん、普段運動やスポーツをどのくらいしていますか? 仕事や子育てが忙しくて、しっかりと運動する時間が取れない……。ジムに通ったり、ジョギングをしたりしたいけどハードルが高くてなかなか始められない……。そもそも体力がないのでスポーツをするのがきつい……などいろんな悩みを抱えている方は多いと思います。

  • 最近運動できていますか?

    最近運動できていますか?

運動やスポーツという言葉を聞くと、どうしてもガッツリと汗を流してきついことをするイメージがありますよね。しかし、簡単なストレッチでも立派な運動やスポーツの一部になります。

最近では、若い女性の痩せすぎ問題や出産後の健康リスク、生活習慣病など健康面のリスクも取り上げられています。運動不足ということに気づかずに、将来的に健康被害に悩まされる方が多い傾向にあります。筋肉がないと代謝が下がり、痩せにくくなるとともに様々な病気のリスクが高まるので、非常に懸念されています。

そのような現状を改善すべく、スポーツ庁は忙しくても簡単にできるメニューを女性スポーツアンバサダーであるチコちゃんのイラストで紹介しています。今回は、スポーツ庁に実際に伺い、スキマ時間や「ながら」でできるちょっとした運動・スポーツメニューを組み合わせたプログラム「Myスポーツプログラム」を、スポーツ庁健康スポーツ課の担当者に考えてもらいました。「ながら」「ついで」「スキマ時間」にできるメニューをご紹介していこうと思います。

20代・独身・OLさんの場合のプログラム

20代でオフィス勤務の女性の場合、時間が取りにくいということはもちろん、デスク作業などによる肩こりや猫背、ストレスが溜まってしまうという悩みが多いですよね。

そこで「肩こり解消・気分をリフレッシュ」という目標を掲げMyスポーツプログラムを組んでみました。椅子に座ったままできるものから通勤電車の中でできるストレッチ、さらに帰宅後のお風呂上がりなどに簡単にできるスポーツメニューをご紹介します。

まずは、通勤中にできる正しい歩行姿勢の維持。これは姿勢改善に大きな効果を与えてくれるそうです。

  • お腹にしっかりと力を入れて、猫背や腰が前に出過ぎないように意識する

足を腰幅に広げ、お腹の腹筋に力を入れます。そして体を引き上げ、前方を見ます。これは歩行中でもできるストレッチなので簡単ですね。

次に、背中の筋肉のストレッチ。これは椅子に座って行います。肩こりの解消に効果的です。

座ったまま足を肩幅に開き、左手を右肩におきます。

  • 足を開き、右手を左肩におく

    足を開き、左手を右肩におく

そして右腕を左肘の下に通し、肩から手を離します。そのまま顔の前で手の甲を合わせるように腕を絡めましょう。

  • お腹にしっかりと力を入れて、猫背や腰が前に出過ぎないように意識する

    手を顔の前で後ろ合わせでクロス。これだけで肩回りが伸びているのを感じる

そのまま体を前にグッと倒します。そうすることで肩甲骨が広がり、背中の筋肉が伸びるのです。

  • 両膝で肩を挟めるくらいに体を前に倒す

    両膝で肩を挟めるくらいに体を前に倒す

これを1回30秒程度キープしましょう! 1日に2~3回やると効果が実感できます。デスクワークで疲れたときに試してみると良いかもしれません。

この他にも椅子を使ったものでは、首や肩の疲れを解消するメニューがあります。

  • 腕をクロスさせ、椅子の座面を引っ張りながら背筋を伸ばす

    腕をクロスさせ、椅子の座面を引っ張りながら背筋を伸ばす

椅子に浅めに腰掛け、肩幅より少し広めに足を広げます。腕をクロスさせた状態で椅子の座面を掴んだまま上に向かって引っ張ると、肩や首の凝りにつながる僧帽筋がほぐされていきます。

クロスしている手を変えて同様に5回ほど背筋を伸ばす動きを行ってください。伸ばすときは息を吐きながら引っ張ると効果的です。1日に10回くらいを目安に取り組みましょう。

  • テニスボールやゴルフボールなど、少し固めのボールで凝っているところをゴリゴリと

    テニスボールやゴルフボールなど、少し硬めのボールで凝っているところをゴリゴリと

体の凝りが気になるときは、ゴルフボールやテニスボール、ビー玉などを凝っているなと思う場所、例えば足の裏や腰、背中などにゴリゴリと押し付けてほぐすのもおすすめです。これは、すごく気持ちいいのでぜひ試してみてください!

30代・育児中・時短勤務さんの場合のプログラム

出産した後の女性は、姿勢が悪くなってしまい腹筋が使えていないという方が多いようです。お腹のポッコリが目立ってしまうという声も多いです。

そんな育児中の女性の方には、「子どもと一緒に遊ぶ体力作り」という目標をイメージし、子どもと一緒にできるメニューなどをご紹介していこうと思います。

  • 子どもと一緒に遊びながらちゃっかり筋トレ

まずは足上げのトレーニング。これは、子どもの足を自分の足の甲に片足ずつ乗せます。そして、バランスを取りながら片足を上げてその場でペンギンのように足踏みを行うことで、筋力向上とバランス力アップが期待できます。

  • 子どもと一緒に遊びながらちゃっかり筋トレ

    子どもと向かい合わせになり、自分の足に乗せてバランスを取りながら足踏みをする

足の上げ下ろしを交互に10セット行いましょう。3歳~6歳くらいまでのお子さんがいる方におすすめです。

  • 子どもをお腹に乗せて、顔を合わせながら腹筋を鍛える

    子どもをお腹に乗せて、顔を合わせながら腹筋を鍛える

3歳以下の小さなお子さんと一緒にできる腹筋のトレーニングもあります。

お子さんをお腹の上に乗せて、背中を床から浮かせて子どもと視線を合わせることで、腹部の筋肉を鍛えることができます。

腹筋に自信がない方は腰の下まで入るタオルなどを使って補助することも可能です。その場合、両手で頭上のタオルの端を掴み、タオルごと一緒に引っ張ることで簡単に起き上がることができます。

次に体幹を鍛えるトレーニング。これは、子どもが寝た後やちょっとした空き時間に行えるものです。

立ったまま片足をもう片方の足の内側につけます。片足立ち状態になるイメージです。

  • 片足立ちになり、手を合わせて胸の前に

    片足立ちになり、手を合わせて胸の前に

ももの付け根あたりまで足を上げましょう。そして両手を胸の前で合わせ徐々にその手を真上に突き出します。

  • 胸の前で合わせた手をゆっくりと真上に上げる

    胸の前で合わせた手をゆっくりと真上に上げる

バランスを取るのが難しいですが、ヨガのポーズなので姿勢や体幹を鍛えることができるそうです。うまくできないときは壁に寄りかかりながらポーズを取ってみましょう。

どんなことでも継続は力なり

このように自分にできそうだな……というメニューを目標とともに組み合わせ、日常の中に取り入れていくことで運動不足の解消を目指すことができます。

メニューは24種類もあるので、自分にあったものを試してみた上で探すのも楽しいですね。今回紹介した以外のメニューはスポーツ庁のサイトで詳しく紹介されています。

毎日少しずつでも続けることが大切なので、仕事中の気分転換や子どもとのコミュニケーションの一環として生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。