社会人になり2年目、3年目。普段使いのスーツはすでに何着か持っているけれど、少し背伸びしてオーダースーツにも挑戦してみたい――。そんなビジネスパーソンに最適な「クオリティオーダー・SHITATE(シタテ)」。同サービスを利用して、実際にオーダースーツを作ってみました。

後編では完成したオーダースーツを受け取るとともに、その仕上がりをレポートしていきたいと思います。

  • 29,000円から! THE SUIT COMPANYでオーダースーツ「SHITATE」を試す(後編)

    現在、洋服の青山の49店、THE SUIT COMPANYの48店にクオリティオーダー・SHITATEのサービスを導入しています。今回は、銀座・数寄屋橋交差点にある「THE SUIT COMPANY 銀座本店」でオーダーしました

SHITATEの特長をおさらい

青山商事では「洋服の青山」「THE SUIT COMPANY」の主要店舗で2019年10月7日より、クオリティオーダー・SHITATEの店舗受注を開始しています。

その特徴は、専任スタイリストによる徹底した採寸、それでいて低価格なこと、なおかつ驚くべき納期の早さ。前編では、専任スタイリストと相談しながら、スリーピーススーツ(三つ揃え)を注文する様子をお伝えしました。

今回、事前の要望として用意していたのは「ちょっとした集まりに着ていけるようなスーツを仕立てたい」という漠然としたもの。そこから先は専任スタイリストと相談しながら、理想のスーツを形づくっていきました。注文から2週間あまり。再びTHE SUIT COMPANY 銀座店を訪問します。いよいよ店頭にて、出来たばかりのスーツと感動のご対面です。

  • 前回、オーダーに対応してくれた専任スタイリスト 中野和彦さんが今回も対応してくれました

オーダー内容を再確認

豊富な種類の中から生地を選んだ、ストライプがスッとした印象を与えるネイビーのスーツが出来上がっていました。スーツの顔とも言える襟の形はノッチドラペル、フロントボタンはシングルです。イメージ通りの仕上がりに胸が高まります。

  • カタログで選んだ通り、襟の形はノッチドラペルに

「オプションの内容は、AMFステッチ有り+本切羽の仕様+本水牛ボタンでしたね。腰ポケットはご注文通り、スラントポケットでお作りしています」と中野さん。各パーツの確認が続きます。

  • 袖口は、ボタンホールが開く本切羽

  • こだわりの本水牛のボタンが高級感を演出します

ベントはサイドベンツに。ジャケットの内側はしっかり「総裏」で、内ポケットの下にはQuality Order SHITATEのロゴが入っています。ネーム刺繍も確認できました。

  • ジャケットの内側にはSHITATEのロゴが

Yシャツとネクタイの選び方

すぐにでも試着したい、とはやる気持ちを抑えて、せっかくなので出来たばかりのオーダースーツにピッタリなワイシャツとネクタイも揃えることにしました。1階に移動して、再び中野さんへ相談です。ビジネス用途で着る場合、どんな点に気をつけて選んでいけば良いのでしょう。

  • 今回のオーダースーツに似合うワイシャツとネクタイを購入することに。専任スタイリストに相談です

「全身のコーディネートで考えます。スーツ、ワイシャツ、ネクタイで使われている色が3色までにおさまれば、見た目がスッキリまとまるというのが基本的な考え方です」(中野さん)。なるほど今回はスーツがネイビーなので、ワイシャツとネクタイはネイビー+2色までなら綺麗に収まるということですね。

  • 売り場には、ワイシャツとネクタイだけでも膨大なアイテム数があります。『3色におさめる』という基本を知っていれば、ずっと選びやすくなるでしょう

今回は着回しやすいワイシャツを何点か勧めてもらいました。薄いブルーを基調としたワイシャツはネイビーのスーツと相性が良さそうです。襟と袖口が白いワイシャツは清潔感がありました。そして少しチャレンジングな選択だったのが、ブラウン系のストライプのワイシャツ。

  • 中野さんに提案いただいたワイシャツ4選

普段の自分なら選ばない色や柄も、こうしてスタイリストに推薦してもらうことで、新たな発見につながります。「意外な色の組み合わせに思われるかも知れませんが、イタリアではブルーとブラウンの組み合わせを好む人が多いんですよ」と中野さん。視野を広げてもらえた思いがします。

  • スーツにワイシャツとネクタイを組み合わせ、配色をチェックします

"春らしさ"を感じさせるコーディネートとして、ワイシャツにはブルーのストライプが爽やかな印象を与えるアイテムを選択。ネクタイは、ネイビー、ブルー、白の3色のものを選びました。

さて、実際にスリーピースとワイシャツを着てみた感じは? 「肌感覚ですが、いつも着ている既製品のスーツの2倍は着やすいと思いました」。思わず、そんな言葉が飛び出ました。しかしなぜ、こんなに着やすいのでしょうか。

スーツのフィット感をチェック

既製品が重く感じる理由は、どこか1カ所にジャケットの重さが集中しているから、とのこと。「でもオーダースーツなら肩全体でジャケットを支えるので、着用しても軽さを感じ、着心地が良いために疲れにくいんです」(中野さん)。既製品では、肩がきつい、変なところにシワができる、生地が余る、といったことも起こる場合があるそう。心当たりがあります。

  • ワイシャツとネクタイをあわせ、スリーピースのベストも試着。オーダースーツは着やすく、着心地も軽い

  • 肩周りもスッキリ。着心地は良好

「生地はストレッチ素材です。こういう部分も、着やすさにダイレクトに影響してきますね」と中野さん。こちらの雑談に応じながらも肩幅、着丈、袖の長さ、ズボンの長さに間違いがないか、メジャーを持って丁寧にチェックしていく姿があります。

  • ズボンのストレッチがよく効いています

クオリティオーダー・SHITATEは、接客による掘り下げたヒアリング、そして徹底した採寸によって理想のオーダースーツを実現していると感じました。なお、直しは1年間無料。「お腹周りを1cmだけ大きく」などの微調整にも対応しています。

  • 出来上がったオーダースーツ。袖丈、裾丈ともに最適。身体へのフィット感もバツグン。撮影:カワベミサキ

スーツのオーダーが増えるのは3月中旬~下旬。就職、転職、異動で部署が変わるというタイミングで注文する人が増えるようです。

  • かがむ、座る、といったシーンでも窮屈にならず、ストレッチの伸びを感じられました。身体にフィットしたオーダースーツは、やはり気持ちが良いものです。撮影:カワベミサキ

1度、来店して採寸すればそのサイズで次回以降のオーダーができるのも嬉しいポイントと言えるでしょう。「遠方にお住まいならオンラインでも注文できます。もっとも、専任スタイリストと一緒に作っていきたい、(毎シーズン刷新される)200種類以上の生地をチェックしたい、という理由で来店されるリピーターさんもたくさんいらっしゃいます」(中野さん)。

「今年のスーツの流行は? いまショップにはどんな生地が入っていますか? そんな世間話が目的でも構いませんので、お気軽にご来店いただければ」と中野さん。こうしたショップが近くにあると心強いですね。


今回は、THE SUIT COMPANY 銀座本店で専任スタイリストに相談しながら、初めてのオーダースーツに挑戦しました。感じたのは、手軽さと分かりやすさ、コスパの良さ、納品までの早さ。これまで敷居が高いように思っていたオーダースーツが、実際には簡単に作れてしまうことに嬉しい驚きをおぼえました。