長野県大町市は、2018年秋に運転を終了した「関電トンネルトロリーバス」(通称「トロバス」)の最後の1台に関して、市内保存設置を目的に、3月10日からクラウドファンディングを開始した。

  • 関電トンネルトロリーバス(イメージ)

関電トンネルトロリーバスは、長野県大町市の扇沢駅から富山県との県境を越え、黒部ダム駅までを結ぶ関電トンネルで運行されていた乗り物。呼称に「バス」が含まれるものの、トロリーバスの正式名称は「無軌条電車」であり、法律上も鉄道として扱われた。電気バスへの移行にともない、15台あったトロリーバスの全車両が2018年で運転終了となった。

大町市は当初から保存を検討していたが、費用面から折り合いがつかず、車両はすべて解体されることになった。しかし、ファンから保存交渉を受けた解体業者が1台だけ解体せず、残していたことがわかったという。

  • 解体されずに残った最後の1台

今回のクラウドファンディングは大町市長が呼びかけ人となり、車両の買取費用と大町市までの輸送費用として180万円を募ることとした。3月12日の時点ですでに目標金額を上回っており、大町市は長期保存に向けた維持管理に必要な費用を集めるため、ネクストゴールを設定すると表明している。引き取ったトロバスは市内に保存し、こどもたちの教育や観光資源として活用する考え。クラウドファンディングの締切は4月30日23時となっている。