2月の終わりから3月の初旬にかけて、トイレットペーパーやペーパータオルが店頭から消えたのは、日本だけではなくアメリカやオーストラリアなど海外でも同時多発的に起こった事象でした。過去においても、日本ではオイルショックや震災などで、トイレットペーパーが手に入りにくい時期がありました。

トイレットペーパーやティッシュペーパーといった生理現象とも直結している商品は、情報が出た時点で家のストックを増やそうと考えるのは、心情的には理解できます。

しかし中には転売を目的や必要数以上に買い占める人もおり、新型コロナウイルスの不安感から一般の人が更に買い溜めに走るといった悪循環に陥っているようにも見えます。その背景として、新型コロナウイルスの影響で、マスクや消毒薬が手に入りにくく、次に手に入りにくくなるものは何かと考えた結果からなのかもしれません。

もちろん、トイレットペーパーや紙類がマスクの需要増で店頭から消えるというのはあちこちでアナウンスがあるように、デマ。しばらくしたらまた店頭に並ぶので、家にある程度の在庫がある場合は慌てて買い溜めをする必要はなさそうです。

しかし依然として、マスクや消毒薬不足は品薄状態が続いています。その一因ともなっているのが、転売者による買い占めと高額転売があり問題視されていましたが、ようやくマスクの高額転売にようやく国の待ったがかかりました。政府は、国民生活安定緊急措置法の政令を閣議決定し、早ければ3月の中旬には施行することになりました。この法律は、国民生活の安定への影響が大きい物資の他人への譲り渡しを制限でき、違反した場合の罰則もあり、今後は一般の消費者に適正な価格でマスクが手に入るようになります。

いつ新型コロナウイルスが収束するのかわからない中で、各家庭でいざという時に備えておく備蓄の大切さが改めて見直されています。そもそも日本は、台風や地震といった災害が多い国です。災害で流通や供給の停止や遅延もそう珍しいことではありません。

ほとんどの場合は、数日もすれば通常に戻りますが、被害が甚大であった場合は更に遅れることもあります。災害発生時には電気、ガス、水道といったライフラインが止まることがあります。その際の飲料水や非常食の備えが必要です。最低限3日間程度を目安に家族の人数に合わせて備蓄しておくことが必要とされています。

他にも日用品のトイレットペーパーや生理用品、おむつなど家族構成によっても必要となるものや、トイレが使えなくなった際の非常用トイレ用品など、家族の人数に合わせて在庫をもっておくと安心です。

非常食や飲料水、日用品は生活の中で使いながら備蓄をする「日常備蓄」が基本です。たくさん在庫を持つ必要はありませんが、ある程度在庫が減ったら買い足すことで万が一に備えることができるというものです。

家庭ごとの適正な在庫数やその買い物サイクルを把握することが難しいという場合は、例えば家計簿アプリのZaimが提供する「消耗品購入タイマー」を利用してみてはいかがでしょうか。

3月7日時点で、トイレットペーパーやティッシュペーパーなど7商品が対象で、Zaimの家計簿記録から、どれくらいのサイクルで商品を購入しているかがわかるというものです。これで、いつ頃にどれだけ買い足せばよいかなどの目安を知ることができます。

災害時に備えた備蓄品と生活用品のチェックを、改めてしてみてはいかがでしょうか。

丸山晴美(まるやま はるみ)

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外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している