高橋道雄九段の得意戦法、横歩取りを破る。ランキング戦では18連勝
第33期竜王戦ランキング戦3組(主催:読売新聞社)の▲藤井聡太七段-△高橋道雄九段戦が3月12日に東京・将棋会館で行われました。結果は79手で藤井七段が勝利。準決勝へと駒を進めました。
振り駒で先手番になった藤井七段は、高橋九段の得意戦法である横歩取りを受けて立ちました。横歩取りはすぐに戦いが始まる激しい戦型です。本局も高橋九段の攻めの手に対して、藤井七段は1時間の長考の末、飛車をぶつける最強の手段で反撃しました。
高橋九段は飛車交換に応じ、再度飛車を自陣に打ちました。これで藤井七段の桂は助かりません。高橋九段は得した桂で銀を入手し、一時は銀得とまでなりましたが、これでも局面の均衡が取れていました。
藤井七段は高橋九段の角を先手、先手で追っていきます。これが藤井七段が銀損の代償に狙っていた、うるさい攻めでした。角が捕まってしまった高橋九段は、角を犠牲に藤井玉に攻めかかりますが、藤井七段はこの攻めが届かないことを読み切っていました。
相手の攻め駒が一瞬玉から遠ざかったタイミングで、藤井七段は角を一つ上がります。これが敵玉をにらむ猛烈に厳しい一着でした。受けると攻めが切れてしまう高橋九段は攻め合いに勝負を懸けますが、その攻めをうまくいなした後に、決め手の桂打ちを藤井七段が放って勝負あり。最後は見事即詰みに打ち取りました。
本局を制した藤井七段はこれで準決勝進出です。相手は千葉幸生七段-千田翔太七段戦の勝者です。もし次も勝つと、決勝戦では師匠の杉本昌隆八段との師弟対決が実現するかもしれません。
藤井七段は竜王戦ランキング戦ではデビュー以来負けなしの18連