先日、高校に進学する長男のために、スマホを買いました。
スマホ、高いですよね。以前ならMNPがゼロ円でキャッシュバック○万円、みたいな端末がいくつもあったのに、今は総務省の方針を受け、ただただ高いだけ。かといって通信量が大幅に安くなくなったわけでもないし。
入学の費用もいろいろとかかるので、スマホを欲しがる息子に「こちらで出せるのは3万円まで。それ以上は自分のお小遣いで負担して」と伝えて、機種選びを開始しました。
だいたい中高生なんて、ほぼ暇つぶしのゲームやらSNS、YouTubeがメインの用途なので、高級なスマホを買う意味が見いだせません。近所のスーパーに買い物に行くだけなら軽自動車で十分。でかいSUVやスポーツカーは無駄ですよね。
スマホが車と違うのは、その性能向上の速度です。低価格スマホを軽自動車にたとえると、かつて非力だったものの、いまや昔のスポーツカーレベルのパワーとミニバン並みの居住性を実現してるぐらい、低価格でも良くなっています。
なので、大人でも最上位のスマホを買う意味は、ひと昔前に比べたら少なくなってきました。少なくとも、スマホが高性能なだけで仕事の生産性が上がり、収入がアップしたなんてことは、昨今考えにくいんじゃないかと。というわけで、子供のスマホをこれから購入する人はもちろん、スマホにお金かけたくないわ~って大人も、ぜひ参考にしていただければと思います。
父親が探した3万円クラスのスマホ
長男がこれまで使っていたのは、ファーウェイ・ジャパンの「P10 lite」。2018年3月に、Facebookの友だちから1万5,000円前後で譲ってもらった機種です。
P10 liteのディスプレイは約5.2インチ、メモリ(RAM)3GB、ストレージ32GB、メインカメラ1,200万画素。すごいスペックじゃないですが、さっき書いたように用途がSNSやYouTubeメインなので問題なし。だったんですけど、息子のP10 liteときたら画面はバリバリに割れまくり、常に電源挿しておかないと落ちるという、バッテリーがほぼ死んだ状態なので、高校進学を機に買ってくれやとなったわけです。
「男は黙ってAndroid」とか言ってた息子ですが、「なんか安いiPhoneが出るらしいじゃん」と、2020年の登場が噂されるiPhone SEの次世代機、いわゆるiPhone SE2ことiPhone 9(仮)の情報も嗅ぎつけたようです。でも安いつっても4万円~5万円はしそうですし、発売は4月以降になりそう。そこでとりあえず、今買える2万円~3万円ぐらいのSIMフリー端末をリストにしてLINEで送りました。そのリストがこちらです。
- ファーウェイ・ジャパン「P30 lite」
実勢価格は3万円ぐらい(Amazon.co.jp価格で税込2万5,780円:ピーコックブルー時)。ディスプレイは約6.15インチ。メモリ4GB、ストレージ64GB。メインカメラは2,400万画素。今使ってるのが「P10 lite」なので使い勝手も近かろうと、「順当に乗り換えるならこれじゃね? カメラ機能も相当いいらしいし」と伝えました。
- ASUS JAPAN「ZenFone Max M2」(ZB633KL)
こちらも64GBモデルの実勢価格は3万円ぐらい(直販「ASUS Store」価格で税別2万7,500円)。ディスプレイは6.3インチで、4,000mAhもの大容量バッテリーを積んでおり、連続待受で最大33日も電池が持つらしい。バッテリー持ちの悪さに悩んでいるので響くかなと思い推薦。
- モトローラ・モビリティ・ジャパン「Moto G7 Power」
実勢価格で2万5,000円ぐらい(直販「モトローラ公式オンラインストア」価格で税込2万4,800円)。ディスプレイは6.2インチ、メモリ4GB、ストレージ64GB、メインカメラ1,200万画素と、この価格帯では可もなく不可もないスペックですが、バッテリーが5,000mAhの大容量で約3日間持つことがうたわれています。「高校生でモトローラとかシブいじゃん」と薦めておきました。
- シャープ「AQUOS sense3」
国産勢代表としてラインナップ。ディスプレイは5.5インチとちょっと小ぶり。ストレージは64GB。カメラは広角と標準のツインカメラ。実勢価格は3万8,000円ぐらいと3万円オーバーですが、MVNOの回線セットの場合3万円を切っています(例えばUQモバイルで税別21,600円、IIJ mioで税別29,800円など)。
- Apple「iPhone 7」
希望はAndroidの息子ですが、高校生に人気と言われるiPhone(型落ちで安くなったiPhone 7)も参考までに挙げてみました。中古だと2万5,000円~3万円前後、MVNOでも回線セットで2万円台から購入できるようです(例えばUQモバイルで税込25,344円、OCNモバイルで税別28,200円※セール価格など:いずれも32GB時)。
「男は黙ってAndroid」の中学3年生が選んだスマホ
この中で、最初に脱落したのは意外にも「iPhone 7」。「ホームボタンがヤダ」というのが理由でした。好みとして、フレームが狭くて全画面ぽいのがいいらしい。さらにカメラ機能推しの端末については、「写真とかあんまり撮らないから関係ない」とのこと。今困っているのは、ストレージが足りないことのよう(現状32GBしかないし)。まぁ、AndroidならたいていmicroSDで増強できるけど、本体のストレージも最低64GBは欲しいよねと伝えます。
どの機種も決め手に欠けているとのことで、さらに探し続けます。OPPO「Reno A」(実勢価格4万円ぐらい)などに目を付け、Amazonやらヨドバシのリンクを送っていたところ、「このスマホはどうかな?」と息子の側から提案してきた端末がこちら。
OPPO「R17 Neo」でした。Amazon.co,jp販売価格(2020年2月当時)は2万4,530円(メーカー希望小売価格は3万2,780円、2020年3月12日現在は2万3,980円:レッドモデルの場合)。
おっ、安いじゃん。でもスペックはイマイチなんじゃねと思いつつチェック。CPUはSnapdragon 660、メモリ4GB、ストレージ128GB……ストレージでかい! ディスプレイはこの価格帯で有機EL6.4インチのフルHD。重量156g。とくに欠点は見当たりません。充電端子はmicroUSBですが、息子の環境では当面困ることはないでしょう。実際うちにあるケーブルはmicroUSBとLightningが多数派ですし。
びっくりしたのがカメラ機能で、自撮り用のインカメラが2,500万画素、アウトカメラは1,600万画素+200万画素のデュアルと、この価格にしては十分な性能。本人は画面占有率91%の広々感と雫型のノッチデザイン、そして背面のグラデーションカラーも気に入ったようです。「オッポって語感はダサいけど、これでいいか」(息子談)と決定!
光る画面内指紋認証に「カッケー!」
届いてから感動した機能は、画面内指紋認証(記事冒頭の写真をご参照あれ)。ディスプレイに指を置くとロック解除するんですよ。その際に画面に光が走って「カッケー!」と。中学生らしい感想ですが、新型コロナウイルスでマスクを着けていることの多い昨今、指紋認証の利便性を再認識させられています。画面内指紋認証、これからさらに“来る”んじゃないでしょうか。Appleが新しいiPhoneに搭載するんじゃないかと前から噂になっていますが、このR17 Neoが日本初ですよ。しかも実売2万円台。息子曰く、たまたまAmazonの画面にリンクがあった機種らしいですが、よく見つけたわと、そこだけは関心しました。
というわけで迷走(?)を経たスマホ選び。自分で選んだだけあり、息子は「画面が広くて没頭できる」と気に入って使っています。というか、新型コロナウイルスで早めの春休みに突入したため、一日中食って寝っ転がってスマホざんまい。早く学校始まればいいのに。
著者プロフィール
小口覺(おぐちさとる)
雑誌、Webメディア、単行本の企画・執筆などを手がけるライター・コラムニスト。自慢できる家電「ドヤ家電」の生みの親。近年は意識低い系マーケティングをテーマに企業取材も多数手がける。台湾好き、酒好き。著書に「ちょいバカ戦略: 意識低い系マーケティングのすすめ」(新潮社刊)など。