春は、気温も変わりやすく、体の不調を感じやすい季節でもあります。カルシウムは、健康な骨や歯を作るだけでなく、人間の体が健康に働くために重要なミネラルの一つです。不足すると、日常活動が活発にできなくなり、ダイエットに欠かせない、適度な筋肉を維持することが難しくなってしまいます。今回は、カルシウムが含まれる食材や効率よく摂る方法をご紹介しましょう。
カルシウムは重要なミネラル
カルシウムは、骨や歯を作る栄養素です。大人の体内には体重50kgの人で約1kgのカルシウムがあり、そのほとんどが骨や歯を作っています。残りの1%程度は、血液中や筋肉、神経などにあります。この1%に、筋肉を収縮させて心臓を規則的に正しく活動させる働き、血液の凝固を促して出血を予防する働きもあり、人間の生命維持活動に重要な作用をしています。
カルシウムが不足すると骨や筋肉に影響が
骨には、カルシウムの貯蔵庫のような働きがあります。食事から摂ったカルシウムは、小腸から吸収されて血中に入ります。血中のカルシウムが不足すると、骨からカルシウムを放出させて、血液中のカルシウム濃度を一定に保とうと働きます。そのため、カルシウムの摂取量が少ないのであれば骨のカルシウムは減り、多ければ蓄積され、常に出し入れされています。
カルシウムは、人間の体に最も多く含まれるミネラルです。しかし、食品によって吸収率が異なります。牛乳や乳製品が約50%、小魚が約30%、野菜類、大豆製品が約18%です。カルシウムが豊富な食材だからといって、たくさん食べていてもそれほど吸収されていないこともあるのです。
不足すると、骨がもろくなる、筋肉を動かしづらくなるといった影響があります。ダイエットには、適度な筋肉が必要になりますが、筋肉量を維持するためには、カルシウムは欠かせない栄養素です。
カルシウムだけでなく、ビタミンDも一緒にとる
カルシウムの吸収率を上げるためには、ビタミンDを一緒に摂ることがおすすめです。ビタミンDは、さけ、さんま、かじきなどの魚介類、干し椎茸などのキノコ類、卵類に含まれています。また、日光に当たることもビタミンDの合成に役立ちますから、室内で過ごすことが多い人は、外出の機会を増やすことも取り入れてみましょう。
その他、酢、レモン、りんごなどに含まれるクエン酸もカルシウムの吸収率をよくしてくれます。レモンに含まれるクエン酸をカルシウムと共に継続摂取することで、骨密度の改善するとの学会発表もあり、女性に多い骨粗しょう症の予防に役立つと期待されています。
小魚や野菜類の料理には、レモンを添えるなど組み合わせて食べるといいでしょう。カルシウムの吸収を阻害するものとして、ほうれん草に含まれるシュウ酸、豆類、穀類に含まれるフィチン酸、食物繊維などもありますが、カルシウム以外のミネラルや栄養素も含まれていますから、しっかり取りたい食材です。偏ることなく、いろいろな食材を組み合わせて食べるようにしましょう。
今回は、カルシウムを含む野菜の一つであるチンゲン菜の簡単な炒め物をご紹介します。
簡単!中華風炒め
<材料>2人分
チンゲン菜 1袋(約200g)
ちりめんじゃこ 30g
にんにく 2片
ごま油 適量
鶏がらスープの素 大さじ1/2
砂糖 小さじ1/2
酒 大さじ1
醤油 少々
水溶き片栗粉 適量
レモン 1/2個
<作り方>
1:チンゲン菜は1枚ずつはがして洗い、半分の長さに切っておく。にんにくはみじん切り、レモンは半分に切っておく。
2:鍋にごま油を熱し、にんにくを炒め、香りが出たらチンゲン菜を茎と葉の順に炒める。ちりめんじゃこも加えてさらに炒める。
3:チンゲン菜がしんなりしたら、鶏がらスープ、砂糖、酒、醤油で調味し、水溶き片栗粉を回しかけ、ひと煮立ちしたら火を止める。
4:3を皿に盛り、レモンを添えたらできあがり。
<ポイント>
カルシウムを含むチンゲン菜とちりめんじゃこは、レモンを搾って一緒にいただくことで、吸収率がアップします。効率的にカルシウムを取り入れて、体に必要なミネラルの不足を補い、健康的にダイエットしましょう。女性に多い骨粗しょう症の予防にもつながります。