つみたてNISAを始めた人は、積立日をいつにするのがベストなのか、悩んだ経験はないでしょうか。実は、積立日を気にする必要は、ほとんどありません。その理由や積立日の考え方についてお伝えします。
つみたてNISAとは
つみたてNISAとは、積み立てをしながら資産形成をする制度です。積み立てを行う商品は投資信託で、積み立て可能期間は2018年から2037年です。ただ、2020年度の税制改正でつみたてNISAは5年間延長される予定です。
つみたてNISAのメリットは、運用によって得られる利益が非課税になることです。投資信託で運用して利益を得た場合、本来であれば約20%の税金がかかりますが、つみたてNISAでは税金がかかりません。
今は低金利ですから、銀行に預金してもほとんど利息がつきませんが、それでも約20%の税金が差し引かれています。つみたてNISAの積み立て可能期間は最長20年間です。運用期間が、長期であればあるほど、利益は安定する傾向にあるといわれていますから、20年間非課税で運用できるメリットは非常に大きいといえるでしょう。
さらに金融機関によっては、100円から積み立てが可能だったり、ポイントを使って積み立てができたり、初心者でも運用を始めやすいサービスが提供されています。今まで投資をしたことがなかったけれど、つみたてNISAを始めたいという人にとっては、スタートしやすい制度といえるでしょう。
月初の積み立ては不利!?
つみたてNISAの積立日の設定方法は、金融機関によって異なります。たとえば、SBI証券なら、毎日、毎週、毎月の3種類の積み立て方法があり、毎週の場合は、月~金曜日のいずれかを、毎月の場合は1~30日、または月末を自分で選択することができます。
選択肢が多いので、迷ってしまうかもしれませんが、積み立ての頻度は月1回で十分といえます。もちろん、より時間の分散効果を得たいのであれば、毎日積み立てをしても良いでしょう。では、毎月積み立ての場合、積立日をいつに設定すれば良いでしょうか。
実は、2016年7月から2018年2月まで、日経平均が20カ月連続で月初の営業日に上昇したことがあります。また、積立日はキリの良い日を選ぶケースが多く、月初に設定している人は多いのではないでしょうか。
月初に積立日が多いと、注文も多くなり株価上昇の要因となるといえるかもしれません。そのように考えると、月初は避けた方が良いかもしれませんが、20カ月連続で月初が高値になったからといって、今後も同様の動きがあるとは限りません。
しかも、月初の営業日が連続で上昇したのは2年間です。短期間の結果だけを見て判断するのは、長期で行うつみたてNISAの運用スタンスとは異なります。さらにこれらの状況は日本の状況です。2016年7月から2018年2月までダウも同様に月初が連続し上昇したという事実はありません。つみたてNISAでは分散投資も大切な考え方ですから、日本の状況だけを見て判断するのは早計です。
積立日はいつにすれば良い?
つみたてNISAは、長期運用を行う制度ですから、短期的な損益で一喜一憂すべきではありません。毎月の積立金額がいくらだったかを考える必要はなく、淡々と積み立てを続けることが大切です。
それに、毎月10日が最も値下がりすると分かっているのであれば、もちろん10日に設定するのが良いですが、誰もそれを予想することはできません。積立日をいつに設定したとしても、高い価格の日もあれば、安い価格の日もあります。
そして、安い価格の時は投資信託をたくさん買い、高ければ少ししか買わないことを実行し、長期間続けることで平均取得単価を下げ、利益を得やすい状態にします。ですから、つみたてNISAの運用において、最も大切なことは続けることなのです。
このように考えると積み立ての設定日は、残高不足にならない日が良いといえるでしょう。つみたてNISAの運用で必要なことは長期間、分散しながら積み立てを継続することです。残高不足にならずに、積み立てを継続できる日を積立日に設定しましょう。
そのほか、積み立て設定日のポイントは
残高不足の問題がクリアできたなら、積み立てにおまけがつく方法で積立日を考えるのも良いでしょう。楽天証券 の場合、積立金の引き落とし口座によって、積立日が異なります。
たとえば、楽天証券口座からの引き落としの場合は、1日~28日の間で、自分で日程を選びますが、楽天カード決済だと毎月1日が積立日と決まっています。日程を自分で選ぶことはできませんが、カード決済の場合は決済額に応じてポイントが付与されます。また、ポイントを利用した積み立ても可能です。このように積み立てをするとついてくるおまけで判断するのも良いでしょう。
つみたてNISAを始めたばかりなら、積立日に悩むかもしれませんが、長期運用をするなら、それほど重要なことではないので安心してください。それより積み立てを続けることが大切です。