新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、手洗いやうがいを励行したり、外出先で身に着けていた衣服をすぐに洗ったり、バッグや傘の持ち手を除菌シートで拭くなどの感染予防策を実行している人は多いでしょう。
意外と見落としがちなのが、スマホやタブレットなどの電子機器。特に、スマホは外出先で電車のつり革などさまざまなものに触れながら操作する機会が多いので、こまめに画面や本体を拭いてきれいに保ちたいものです。
どうせなら、除菌効果を期待してアルコールを含む除菌シートや消毒液を用いたい…と思っている人もいると思います。しかし、電子機器によっては塗装や画面のコーティングが剥離したり、機器の故障が生じるなど、思わぬトラブルを招きかねません。
そのようななか、米Appleが「iPhoneを消毒液で拭いても大丈夫?」というタイトルで、iPhoneのお手入れに関する具体的なガイダンスを現地時間3月9日に更新しました。まだ英語版の案内しか出ていませんが、内容を読み解いてみましょう(3月11日に、アップルが日本語版のガイダンスも更新しました)。
アルコールを用いたiPhoneのお手入れがOKに
米Appleの「Cleaning your iPhone」(iPhoneを掃除する)のWebサイトに追加されたのが、「Is it OK to use a disinfectant on my iPhone?」(iPhoneを消毒液で拭いても大丈夫?)という項目。ここでは「70%のイソプロパノールアルコールワイプ、またはクロロックス製の消毒ワイプを利用し、iPhoneの外装を優しく拭いてください」と紹介されています。アルコールを用いたiPhoneのお手入れが公式に認められました。
筆者は知らなかったのですが、どちらも米国では一般的に販売されている除菌グッズのようです。日本の薬局やドラッグストアでも「イソプロパノール」や「クロロックス」に似た製品の取り扱いがあるのか、お店で尋ねてみました。日本国内では、イソプロパノールの割合が70%にもなる高濃度の製品はほとんどなく、安全性や除菌効果の高いエタノールを主成分としている製品が主流なのだそう。
アップルのガイダンス通り、アルコールなどの消毒液をしみ込ませたガーゼなどでiPhoneの表面を優しく拭うのがよさそうです。注意したいのが、除菌効果があるものでも台所やホームクリーニング用の「漂白剤」は使わないようにすることや、Lightning端子やスピーカーの小さな孔にアルコールを含む消毒液を浸入させないようにすること。近ごろのiPhoneは防滴構造ですが、消毒液や洗剤の中にドボンと浸けるなんてことは御法度です。
画面に保護フィルムを貼ったり、本体に樹脂製のケースを装着して使っているユーザーも多いと思いますが、これらはiPhone本体とは異なりアルコールに弱い製品も多いとみられます。製品の説明書などを参照したうえで慎重に扱うべきでしょう。