古くはティラミス、ナタデココ、ロールケーキ、比較的新しいところではパンケーキやかき氷など、スイーツ類は周期的に流行と沈静化を繰り返す。昨年、SNS映えするルックの良さも相まって空前のブームを迎えたタピオカドリンクは、すでに定番ドリンクとなりつつある。
タピオカの好き嫌いをアンケートしてみた
タピオカは、飲み物(あるいは食べ物)であるにもかかわらず、その味そのものへの評価はあまり目にしないのではないだろうか。インターネットで検索すると、一部では「まずい」とする意見もあるようだが、タピオカは果たしておいしいのか、それともまずいのか。今回はマイナビニュース男女会員301名へのアンケート結果をもとに、その真相を探ってみた。
Q.タピオカを飲んだ(食べた)ことはありますか?
「はい」(68.1%)
「いいえ」(31.9%)
Q.今までタピオカを飲んで(食べて)「まずい」と感じたことはありますか?
「はい」(30.7%)
「いいえ」(69.3%)
まず、「タピオカを飲んだ(食べた)ことがあるか」を聞いたところ、「はい」が68.1%と、7割近い人が飲んだ(食べた)ことがあると回答。これを男女別に見てみると、タピオカを飲んだことがある男性は66.5%、女性は73.2%と、女性のほうがやや優勢な結果となった。
また、飲んだことのある人の中で「まずい」と感じたことがある割合は30.7%で、3割程度がタピオカの味に疑問を持っていることがわかった。男女別では、「まずい」と感じた男性は30.1%、女性では32.7%と大きな差は見られなかった。
タピオカが「まずい」と言われてしまう理由
それでは、いったいなぜタピオカを「まずい」と感じたのか。その理由を聞いた。
Q.なぜ「まずい」と感じましたか?
・「まず見た目がカエルの卵。そう思うと、もう……」(46歳男性/精密機器/メカトロ関連技術職)
・「店によって味が異なり、紅茶に合っていない」(30歳男性/リース・レンタル/営業関連)
・「味がストレートではなく曖昧であり、甘すぎると感じた」(59歳男性/その他金融/営業関連)
・「その時に飲んだタピオカは、ゴムのような味がした」(43歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「食感が私には合わなかった」(72歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「甘い。大量に砂糖の入った紅茶としか思えない」(34歳男性/その他/IT関連技術職)
・「タピオカがスカスカだった。冷凍からの解凍の仕方が良くなかったからだと思う」(58歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「タピオカの粒がつるんとしていなかった」(49歳男性/専門店/販売・サービス関連)
・「食感がイマイチ硬くて、飲み物と一緒にのどに入るとせきこむことが多く、煩わしさが必ず残ります。味も特に特徴と言うよりも、ただ甘いだけでおいしいイメージがありません。もう少し甘さを抑えて、食感を良くしたものに変更してほしいです」(52歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)
主に男性から、タピオカドリンクの「過剰な甘さ」を指摘する声が見受けられる。同時に、「食感に違和感がある」とするコメントも目立った。
さらに詳しく、「食感」に関する意見を見てみよう。
・「噛みきれない、硬いものがある」(48歳男性/その他電気・電子関連/技能工・運輸・設備関連)
・「まだ煮え切っていない、芯の残ったものがたくさん入っていた」(40歳女性/不動産/事務・企画・経営関連)
・「ブヨブヨして、時には硬くて味がしない」(68歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「そもそも今のタピオカミルクティで使っている大粒タピオカは、ボソボソしてまずい。昔の中華デザートのタピオカミルクは、小粒でしっとりおいしかった」(59歳男性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「近所のイベントに出店していた、地域の人が作ったタピオカジュースのタピオカが、芯が残っていてまずかった」(38歳女性/鉱業・金属製品・鉄鋼/事務・企画・経営関連)
総合すると「硬い」「ブヨブヨ」「ボソボソ」「芯がある」などが、タピオカの食感に対する否定的な評価のようだ。
調理法や食べるタイミングに鉄則!?
さて、そもそもタピオカってなんだろう。ここで簡単におさらいをしておこう。
タピオカは、南米原産のイモの一種「キャッサバ」の根茎から製造したデンプンのこと。粉状の「タピオカ粉」を糊化させボール状に加工し、乾燥させたものは「スターチボール」あるいは「タピオカパール」といい、煮戻してスイーツや飲料などに使用される。通常、茹でたタピオカはほとんど無味で透明、あるいは半透明だが、カラメルなどで黒など様々なカラーに着色された商品も販売されている。
タピオカの調理法としては単に茹でるだけではあるものの、適正な茹で時間でないと芯が残ってしまったり、グズグズと食感が悪かったりする。専門店では問題ないだろうが、一定時間茹でてからさらに蒸らすなど、かなり手間隙がかかるため、屋台などで不出来な商品に当たってしまうというのは十分に起こり得る。先のコメントにあった「生煮え」などの感想は、十分な調理がなされていないものだった可能性がありそうだ。
また、タピオカは時間が経つと水分を吸収してブヨブヨになったり、長く冷蔵保存をすることでボソボソと硬くなったりと、極端に味や食感、風味が落ちてしまう。タピオカの味へのネガティブな評価は製造から時間が経ってしまったなど、製品のコンディションも影響しているかもしれない。
さらに、コンビニなどで売られている一部の商品にはキャッサバのデンプンではなく、こんにゃくを使用することで保存性を高めているものもある。商品自体はローカロリーだったり繊維質に富んでいたりと優れた点も多いが、食感や味は本物のタピオカとは別物なので注意が必要だ。
ここまで見てきたように、タピオカが一部で「まずい」とされているのは、適切な調理法や保存法でないために「味や食感が悪い」タピオカに出会ってしまったことや、そもそもタピオカとは異なるものをタピオカと誤認していることが大きな理由と言えそうだ。本来のタピオカはもちもちとした食感が楽しい、ハマるとクセになる食べ物なのだ。
飲むだけじゃない! タピオカの食べ方
タピオカ自体はもともと無味のデンプンなので、いろいろなメニューに利用できる。デザート類では、冷やしたココナッツミルクと牛乳に混ぜることで中華の定番に。そこにトロピカルフルーツを加えれば、エスニック風味のデザートメニューになる。ココナッツミルクの代わりにラッシーを使えば、インド料理の締めにふさわしい一品に変身。練乳やヨーグルト、ナタデココ、杏仁豆腐などとの組み合わせも楽しい。
タピオカ粉を使ったメニューとしては、パンケーキやマフィン、揚げパン、ドーナツ、わらび餅などもおすすめ。このほか、タピオカ本来のもちもちとした食感を活かした美味なレシピが多数存在していて、最近ではビュッフェ方式で様々なタピオカ・メニューを試せる店舗も出現している。
ここは「まずい」などという風評に惑わされずに、ぜひとも本物のタピオカを存分に楽しみたいものだ。
調査時期: 2020年2月7日
調査対象: マイナビニュース男女会員
調査数: 301人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません