OPPOは3月6日、スマートフォンのフラッグシップモデル「OPPO Find X2」シリーズをグローバルで発表しました。もともとは2月開催の通信関連見本市「MWC Barcelona 2020」で発表予定だったものが、新型コロナウイルスの影響でMWCが中止になって会見もキャンセル。バルセロナで無観客の発表を行い、ライブ中継されました。

  • OPPO Find X2 Pro、OPPO Find X2

    フラッグシップモデルとして発表されたFind X2シリーズ

ライブではまず、新製品が「バッテリー0%の状態から満充電まで38分」という高速充電の機能を示すために、プレゼン直前に充電を開始する模様を中継。映像の左下にバッテリー容量を示すアイコンを表示してスタートしました。

OPPOは欧州での売上が前年比200%増となるなど好調で、売上の強化に加えて先端研究への注力もアピール。2018年には13億ユーロの研究開発費を投入しましたが、今後3年でさらに60億ユーロの投資を行うことを明らかにしています。特に5Gやクラウド、AI、IoTといったジャンルに注力するようです。

5Gに関しては2,500以上の特許を有し、世界30以上のキャリアと5Gに関して取り組んでいます。そうした状況のOPPOが新たに投入するのが「Find X2」シリーズです。上位モデルのFind X2 Proと、スタンダードモデルのFind X2があります。

OPPOのFindシリーズは、2012年に世界最薄のスマートフォンとして登場した「Finder」から始まり、最初の1080Pのディスプレイを搭載した「Find 5」、急速充電のVOOC機能を搭載した2014年の「Find 7」、そして2018年の「Find X」と続き、Find Xは日本へも投入。Find Xは、ポップアップ型のカメラを搭載することで、ディスプレイに切り欠きもパンチホールもない、完全な全画面を実現していました。

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    Findシリーズの歩み

そして今回のFind X2は、ポップアップ型のカメラは廃止され、パンチホール型のインカメラを搭載しています。「ディスプレイは最も重要」として新たに採用したのが「ウルトラビジョンスクリーン」です。6.7インチ3,168×1,440ドットの有機ELディスプレイは、120Hzのリフレッシュレートに対応。激しいゲームやスポーツなどの映像をより滑らかに表示できるとしています。

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    ディスプレイがスマートフォン全体を覆う全面ディスプレイですが、今回はパンチホール型のインカメラを搭載しています

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    より滑らかな画面表示を可能にする120Hzのリフレッシュレートに対応しています

画面タッチに対する反応も高速化しており、240Hzでのサンプリングレートに対応。ゲームにおけるミリ秒レベルでの反応の違いに現れるといいます。

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    タッチ精度を向上させる240Hzのタッチサンプリングレートをサポート

色域はDCI-P3 100%をカバー。工場出荷時にカラー調整を行って正確な色再現を実現するそうです。10bit(10億色)の色表現に対応しており、より豊かな色表現を可能にしています。最大輝度は1,200nit。「AI Adaptive」機能も備え、外光によってディスプレイの色合いを変更して目を保護してくれるそうです。

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    高解像度で広色域のディスプレイを採用

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    10bitによって滑らかな色表現を可能にしています

映像処理エンジンとして、「O1 Ultra Vison Engine」チップを導入しました。「Motion Clear」と「HDRビデオエンハンスメント」機能を提供します。Motion Clearは動画の補完機能で、30fpsの動画を60fpsに補完してより滑らかに表示。最大で120fpsまで補完できるそうです。

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    O1 Ultra Vison Engineによって、フレーム補完とHDR拡張の機能を搭載

HDRビデオエンハンスメントは、業界初というハードウェアレベルによるSDRコンテンツのHDR拡張機能とのこと。Amazon Prime VideoとYouTubeの動画に対応しているそうです。

2つのステレオスピーカーと、Dolby Atomosによるサラウンド機能も搭載。音楽、映画、ゲームといった用途に応じて、インテリジェントにサウンドを拡張するとしています。

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    主な機能一覧

重要なカメラ機能

「コンシューマにとって重要なもう1つの機能」として挙げられたのがカメラです。「市場で最高のカメラ」とアピールする通り、カメラ評価を行うDXOMARKは現時点で最高の124点。特にカメラは135点という高得点をマークしています。

トリプルカメラを採用し、メインは4,800万画素Pの広角カメラ。センサーはソニーと共同開発して独占供給となるIMX689センサーです。業界でも最大クラスとなる1/1.4インチセンサーは、センサーサイズが96%増加し、センサーの感度は130%高くなっているそうです。

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    Find X2 Proでは3つのカメラを搭載

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    注目は独占供給というIMX689センサー。1/1.4インチという大型センサーです。他社に目を向けると、1/1.33インチとさらに大型ながら1億800万画素と高画素のセンサーを搭載するスマートフォンもあります。Find X2のIMX689センサーは、1/1.4インチ4,800万画素というバランスのよさが特徴でしょう

ピクセルサイズは1.12μmと大型化したほか、さらに4つのセンサーを1つのセンサーとして使うことで2.24μmという大型ピクセルにする機能も。より多くの光を取り込め、特に暗所での画質が改善しているとします。

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    単独ピクセルだけでなく、4ピクセルを1つとして使うことでさらにピクセルサイズが大型になります。この場合、撮影は1,200万画素になります

4ピクセルを1ピクセルとして扱っている状態でも、全ピクセルで位相差AFが可能で、暗所でもAF精度が向上。ピントの精度は97%向上したそうです。12bitのRAW記録も可能で、光学式手ブレ補正も搭載します。

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    全画素で位相差AFが可能

超広角カメラは、4,800万画素のIMX586センサー(ソニー製)を搭載。画角は120度で、3cmまでのマクロ撮影にも対応します。望遠カメラは1,300万画素で光学式手ブレ補正を搭載。上位モデルのFind X2 Proは屈曲光学系(ペリスコープ)を採用し、第2世代の10倍ハイブリッドズーム機能を備えています。

こうした機能によって、ダイナミックレンジが広く、幅広いシーンに対応できるカメラとなりました。夜景撮影には「Ultra Night Mode 3.0」機能が使えて、より高画質な夜景撮影が可能。加えて「Ultra Dark Mode」を搭載し、真っ暗闇の状況でも明るく撮れる機能を備えているようです。

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    暗闇でも明るく撮影できる「Ultra Dark Mode」も注目です

望遠カメラは5倍までの光学ズームに加え、10倍までのハイブリッドズームをサポート。レンズ切り替え時の変化が最小限になり、よりスムーズなズーミングができる、としています。

動画撮影機能では、4K60fpsの撮影に対応。「Ultra Steady Mode 2.0」によって、かなり強力な手ブレ補正を実現しているようです。「Live HDR Video」機能では、10bitのHDR動画をリアルタイムに撮影できます。3つのマイクによるステレオ録音に加え、ノイズリダクション機能で高音質での録音を可能にしました。動画編集のための「Soloop」を同梱しており、手軽に高品質の動画編集ができる、としています。

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    手持ちで走ってもブレがほとんど感じられない強力な動画手ブレ補正を搭載

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    簡単に扱える動画編集ソフトも搭載

なお、カメラと動画の性能をアピールするため、ナショナルジオグラフィックとの共同プロジェクトも実施するそうです。

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    主なカメラ機能一覧

バッテリー容量は、Find X2が4,200mAh、Find X2 Proが4,260mAhです。65Wの急速充電SuperVOOC 2.0によって、38分で満充電が可能とのこと。5つのレベルで安全機構を盛り込んで、安全な高速充電をうたっています。

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    65Wで急速充電するSuperVOOC 2.0を搭載。プレゼン中に38分が経過した時点で、0%から100%まで充電されていました

SoCは最新のSnapdragon 865を搭載。5GはSAとNSAに両対応し、Wi-Fi 6もサポート。「OPPO Smart 5Gテクノロジー」によって、より安定した通信が可能とアピールしています。IP68相当の防塵・防水性能も、仮に日本で発売されたとしたら、うれしいスペックの1つでしょう。

OSはAndroid 10で、独自UIのColorOS 7.1を採用しています。軽快に動作し、プライバシー保護機能も搭載しました。

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    Find X2とFind X2 Proの主なスペック

発売はともに5月初めに発売を開始。Find X2が999ユーロ、Find X2 Proは1199ユーロとなっています。

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    それぞれのカラーと価格