フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)では、映画館の廃墟に移住した一家に密着する『映画館に暮らす一家の物語 ~廃墟に移住した切替家の6年~』を、8日に放送する。

  • 映画館のロビーでの年越しの様子=フジテレビ提供

電気工事会社を営む切替さん一家が、千葉から秋田・大館市に移住してきたのは6年前。大みそかの夜になると、なぜか近所の人々が切替家に集まって来る。お目当ては切替家にある大きなスクリーン。大画面で『紅白歌合戦』を楽しむのだ。

一家が引っ越してきたこの家は、築65年、敷金・礼金0で家賃5万円の“ワケあり格安物件”。かつて市民に愛された映画館の廃墟だった。食卓を囲む一家のリビングは、映画館のロビー。雪国なのに風呂さえない暮らしが始まった。

移住のきっかけは、11年の東日本大震災だ。インフラが壊滅的な打撃を受けた東北地方で工事が急増。秋田へ住まいを移すことに決めた父・義典さん(46)が、格安物件を探していた時、偶然見つけたのが、05年に閉館し、廃墟になっていた「御成座」だった。

引っ越し当初は「家族で映画を観よう」くらいに考えていた義典さんだが、この町で暮らし始めると、「御成座」が地元に愛され、惜しまれながら閉館したことを知る。人々が御成座の再開に期待を寄せていることを知った義典さんは、映画館復活を思いつく。

そして、14年7月、格安物件に引っ越したはずの切替家が、数百万円を投じて御成座を復活させた。電気工事会社を営む一家が、映画館も経営することになったのだ。

しかし、時代はシネコン全盛…東北で唯一の単館映画館はすぐに経営の危機を迎える。おそらく日本で唯一、映画館で暮らす家族の6年を、女優・夏帆のナレーションで追っていく。

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