2016年に購入したiPhone 6sは、4年経過したいまも元気にディスプレイを輝かせている。
だが、2019年に発売されたiPhone 11 Proと違って、カメラのレンズは端末の前後に1つずつ。もちろん「ポートレートモード」や「ナイトモード」なんてカッコいい撮影モードは存在しない。普段そこまで“映え~”な生活をしているわけではないので、筆者の撮影スキルもほぼゼロ。写真フォルダはスマホゲームのスクショかパチスロの演出画像ばかりだ。
そんな筆者でも、ふと、たまにはスマホでイケてる写真を撮影してみたい――。そしてSNSでいいねがほしい――、と思う瞬間がやってくる。
とはいえ、スマホはiPhone 6s。いささか装備に不安アリだ。どうすればカッコいい写真は撮影できるかと考えたすえ、上海問屋のLEDリングライト「DN-915949」を手に取った。
「DN-915949」は、120灯のLEDをリング状に配置した撮影用補助ライト。付属のリモコンで、明るさ調整や色の切り替えを行える。切り替え可能な色は全部で16色。しかも、蛍光灯や白熱電球のような色温度の切り替えではなく、赤や緑、青といったカラーのライティングだ。
はたして、パチスロのスイカ示唆以外のどんなシーンで「緑のLED」を使うのだろう。というか、緑のライトを当てると被写体はどのように写るのだろう。撮影スキルがなくてもおもしろい写真を撮れそうだったので、16色に輝くLEDライトを使ってスマホ撮影に挑戦してみることにした。
16色のライト+4つの点滅モードを搭載
リングライト本体の直径は26cm。高校男子で使うバスケットボール7号球の24.5cmよりも大きいが、厚さが1.6cmとスリムだからか、開封してみると想像以上に小さく感じた。重さは310gと軽め。リングライトは三脚に固定できる構造になっているが、手持ちの撮影でも問題なさそうだ。
給電はUSB。5V/2Aなので、スマホ用のUSB充電器やモバイルバッテリーでも十分だ。スマホホルダーの角度は自由に変えられるので、スマホをセットしたあとでも構図を柔軟に調整できる。同様にライト部分も調整できるので、三脚固定後に光の当たりかたが気に入らない場合は、ライトの角度を調整するといいだろう。
切り替えられる色はRGB系統それぞれ5段階+ホワイトの16色。電源を付けて「R」のボタンを押すと、キレイな赤い光に切り替わる。ほんのり赤いというレベルではなく、もう「真っ赤っか」。ゴリゴリの原色である。
また、「FLASH」「STROBE」「FADE」「SMOOTH」という4つの点滅パターンも搭載しているので試してみた。なんともまばゆい。動画を撮影する際に使うのだろうか。写真撮影では使えそうなシーンがイマイチ思い浮かばない。
RGBのライティングはすべてを飲みこむ原色パワー
では、実際に撮影してみよう。まずは、ライトなしでいつも通りにパシャリ。自宅の部屋の明かりのみで撮影した写真は、全体的に暗めだ。自分の影が入り込んでしまうのも気になる。
続いて、白色のリングライトを点灯させて撮影。当たり前だが、ライトなしの写真と比べて全体がくっきりとキレイに写る。被写体の輪郭もはっきりするので、存在感が際立つだろう。ホワイトバランスもバッチリ。購入したフィギュアなどのグッズをSNSで共有したいときにオススメだ。いつもの5倍は「いいね」がつくだろう。
撮影していて思ったのは、スマホをホルダーに装着して正面から光を当てるよりも、リングライトをサイド光として使ったほうがいい感じに写ること。今回のケースだと、被写体が左側を向いているので、向かって左側にリングライトを置いてみると、陰影のハッキリしたメリハリある1枚を撮影できた。
また、試しに、向かって右側にもライトをセットしてみた。表情が暗いのであまりキレイな写真ではないが、何となく物憂げな雰囲気を醸し出す。
さて、いよいよお待ちかね、白以外の15色での撮影に挑戦だ。先ほどいい感じに撮影できた気がするので、被写体の正面にライトを設置。向かって左側から原色のRGBカラーを当ててシャッターを切る。
すると、どうだろう。RGBの光が被写体ごとすべてを飲みこんでしまったではないか。もとの色味が一切わからないほどの赤・緑・青! まるで、絵具で空間を塗りつくしたかのよう。光のパワーに圧倒される。
言わずもがなではあるが、被写体本来の色をしっかり表現したいときには向かない。ただ、エフェクトをかける感覚で使ってみると、カラフルな写真を手軽に撮影できるので、いろいろと試してみたくなるおもしろさがあった。
ほかの色でも撮影してみたところ、黄色は全体をセピア色に仕上げる効果があるとわかった。被写体本来の色味を残しつつ撮影できるので、「趣のある小物の撮影」など、何かと使えるシーンがあるかもしれない。
また、リモコンの配置でいうところの緑の下4つ、水色のライトは、点灯時と同様にほとんど違いがみられなかったが、海のなかを思わせる幻想的な世界観を演出できそうだ。
被写体本来の色は跡形もなくなるが、怪しく妖艶な雰囲気を出したいときは、マゼンタの光を当てるといいだろう。
違う場所でも撮影に挑戦してみた。選んだのは会社の会議室。被写体はオフィスに転がっていた白いくまのぬいぐるみだ。
ライトと被写体の距離は自宅の部屋で撮影したときと同じくらい(だいたい40cm)だが、会議室の明かりが強いためか、べっとり塗りつぶすほどの色は出ない。この程度で色味であれば、床や壁にカラフルなライティングを当てることで、写真の雰囲気を変えられそうだ。
アイデア次第でカラフルなライティングによる小粋な演出を写真に盛り込めるかもしれないが、今回は特におもしろいアイデアが思い浮かばなかったので、白いくまをほんのり赤くしたり青くしたりして遊んでおいた。
16色に輝くLEDリングライトは、手軽にエフェクトをかけられる点で非常におもしろいアイテムだった。もちろん、白色のライトを使えば、スマホでも被写体をキレイに切り取れる。フリマアプリに出品するアイテムの撮影や自撮りなどの用途でも活躍してくれそうだ。