JR東日本は3日、山形新幹線に新型車両E8系を新造するとともに、福島駅アプローチ線の新設工事に着手すると発表した。福島駅アプローチ線新設工事は輸送障害時のダイヤ復旧時間短縮を目的に行い、上下別線として2026年度末から使用開始(予定)する。

  • 福島駅アプローチ線新設工事により、上りアプローチ線が新設される(画像提供 : JR東日本)

山形新幹線「つばさ」は新幹線区間(東京~福島間)を走行して福島駅に停車。発車後はアプローチ線を経て在来線区間(奥羽本線)に入り、山形駅・新庄駅へ向かう。既設のアプローチ線は単線・上下共用となっており、「つばさ」は下り・上りともに福島駅14番線ホームを使用する。この影響で、とくに「つばさ」と併結運転を行う東北新幹線の上り「やまびこ」において、福島駅の前後で2度の平面交差が発生していた。

新設のアプローチ線は地平区間760m・高架区間540mで上り列車が使用。在来線(奥羽本線)から分岐して東北新幹線の高架下をくぐり、そこから高架となって新幹線の上り線に合流し、福島駅11番線ホームに至る。アプローチ線を上下別線とすることで、「つばさ」と併結運転を行う上り「やまびこ」で発生していた2度の平面交差が解消されるとともに、下り・上り「つばさ」の同時発着も可能になるという。

  • 新設の上りアプローチ線は地平区間760m・高架区間540m(画像提供 : JR東日本)

山形新幹線では新型車両E8系を新造して順次投入し、2024年春から営業運転を開始する予定。2026年度末から使用開始予定の新設アプローチ線と合わせ、山形新幹線の輸送品質を高め、利便性・快適性の向上を図る。