忙しくても子どもに朝は食べてほしい。でも寝起きで機嫌が悪かったり、食が細くて食べてくれなかったり、朝食に四苦八苦している保護者は多いのではないでしょうか。子どもに用意した朝食を3歳児検診で注意されたちよ子さん(@r_chiyoko)のツイートが話題です。

  • 動物の餌みたいな朝食って?

「動物の餌みたいなのはやめなさい」と言われた朝食

3歳児健診で、朝食はアンパンマンのスティックパンとバナナって伝えたら「動物の餌みたいなのはやめなさい」って、ディスられました。
アンパンマンさんに舐めた口聞いてっと、みぞおちアンパンチすっぞ!? と思いながら、拳を引っ込めた私を褒めてください(@r_chiyokoより引用)

3歳のお子さんに、スティックパンとバナナを朝食として出していると伝えたところ、保健師から「動物の餌みたいなのはやめなさい」とショックな一言を言われてしまったちよ子さん。この投稿に対し、「パンでもバナナでもしっかり食べてくれるだけで百点満点」「何も食べないで苦戦するより全然いい」「似たような朝食でほっとしました」と、共感の声が寄せられました。

ちよ子さんにこの朝食について聞いてみたところ「キャラクターのスティックパンとバナナは好きで、完食してくれるので重宝してます。手作りの品はないけど、栄養とバランスが取れて子どもが喜ぶご飯なので、朝食に選んでいます」とお子さんが食べてくれるように考えているそうです。

また、朝食のときに心がけていることは「ツイートには書けなかったけど、チーズやヨーグルトなど乳製品も一緒に食べています」と、栄養面も考えて食事の用意をしているとのことでした。

管理栄養士ママからのアドバイスも

5歳2歳の子育て中の管理栄養士です。うちも朝食はパンとバナナの時ありますよ。牛乳か豆乳飲んだらなおOK
手汚れないし、勝手にすんなり食べてくれるから良いですよ。
朝食食べない子もいますからね。
朝食食べさせるのめちゃくちゃ大変なので、ありですよ。
栄養士が強制することではない。(@coto2018より引用)

保健師から注意された朝食に対して、2人のお子さんを子育て中の管理栄養士コトママさん(@coto2018)さんからは、「朝食食べさせるのめちゃくちゃ大変なので、ありですよ」とママ目線からアドバイス。「牛乳か豆乳飲んだらなおOK」とさらに栄養を摂れるメニューを紹介していました。

子どもの朝食は何がいいの?

検診で保健師から注意されると、自分が用意している食事は良くないものなのかと不安になってしまいそうですね。ちよ子さんのツイートには「全く同じ朝食なんですけど、うちもディスられるんでしょうか」「3食のうちどれか1食でもしっかり食べればいいのでは」「朝食なんて食べてくれたら何でもいい」と様々な意見が寄せられていました。

工夫をした朝食を作っても、食べない子は食べないというのが現実ではないでしょうか。そこで、栄養管理の専門家である管理栄養士の真野稔子さんに子どもの朝食について詳しく解説してもらいました。

このツイートにあるスティックパンとバナナの朝食の場合、合わせると良い食材は何なのででしょうか。

「野菜系のおかずやスープと一緒に、牛乳や豆乳、ヨーグルト(タンパク質やカルシウム補給)。また、ゆで卵、玉子豆腐、スクランブルエッグなどや、プチトマトや温野菜もいいですね。忙しいお母さんだとこのあたりになるのではないでしょうか」

パンやバナナと合わせて、乳製品や卵、野菜を摂るとさらに良いそうです。水分補給として野菜スープや牛乳、おかずに温野菜やゆで卵など、簡単に用意できるものでもバランス良い組み合わせが大切とのことでした。

幼児(3~5歳)に必要な栄養素は特に「タンパク質」と「カルシウム」だそうです。骨や体が作られていく時期のため、意識して用意したい食材です。

・タンパク質


発育が盛んな成長期の子どもは、体重あたりの栄養量は成人に比べて,約1.7~2倍必要。タンパク質は体重1㎏あたり1.5~2gと、大人よりも必要とする量が多い。

・カルシウム


カルシウムは子どもの骨や歯の形成、そして、安定した情緒をはぐくむためにも大切な栄養素。乳製品、しらすなどの小魚、豆腐、緑黄色野菜(小松菜など)、海藻類、ごまなどに豊富に含まれている。

食事を用意するうえで心がけることは、栄養のバランスを考えることと真野さんは言います。

「毎日の食事は、主食と主菜、副菜、汁物を中心に組み合わせ、多種類の食品を摂るようにします。特に、朝食や昼食は特定の食品に偏りやすいので注意が必要です。

『三色食品群』を利用するのもいいでしょう。栄養素の働きから、3つの食品グループに分けたもので、赤・黄・緑の三食を使っての食品分類法は目で見て分かりやすいため、小さな子どもの食育にも利用されています」

この「三色食品群」で分類すると、食材を主に以下のように分けられます。

赤色 : 体を作るもとになる 肉、魚、卵、乳製品、豆など
黄色 : エネルギーのもとになる 米、パン、麺類、イモ類、油、砂糖など
緑色 : 体の調子を整えるもとになる 野菜、果物、きのこ類など

あまり食べない子や、忙しくて食事の用意が難しいときはどのような朝食を食べさせれば良いのでしょうか。食事の用意のコツを聞いてみました。

「この時期は食経験が必要になるので、好き嫌いに関係なく、いろんな食材を組み合わせるようにしましょう。1週間分の朝食メニューを組んで、ローテーションするのも方法のひとつです。組み合わせてほしいのは、主食となる炭水化物(黄色)、主菜となるタンパク質(赤色)、それに野菜入りの汁物や温野菜、果物(緑色)です」

朝食のローテーションを決めておくと、メニューを考える手間も省けてより準備をしやすくなりそうですね。真野さんおすすめの朝食メニューの例をいくつか紹介します。

(例)

ご飯 + 味噌汁 + 目玉焼き

ロールパン + サラダ + ヨーグルト

鮭のおにぎり + 味噌汁(小松菜入り)

この他にも、「ご飯と目玉焼き」「卵かけご飯」「納豆ご飯」「鮭のおにぎり」「サンドイッチ」「卵やチーズを乗せたりしたパン」。汁物はお味噌汁やスープにその日ある野菜や、海藻類などを入れると良いそうです。

主食のご飯に卵や魚を乗せたり、同じく主食となるパンに野菜やチーズを挟んだり、一緒に合わせて食べられるようにするというのも工夫のひとつです。手で掴んで食べられるおにぎりやサンドイッチを作るのも、子どもが食べやすくなるでしょう。

ご機嫌で食べてくれれば一番ですが、そううまくはいかない子どもの朝食。少しでも食べたらOKな気持ちを持つことも大切かもしれません。