お笑いコンビ・ドランクドラゴンの塚地武雅が出演している東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『パパがも一度恋をした』(毎週土曜23:40~)に、実は相方の鈴木拓も、第1話から全話出演している。
第1話は不審者、第2話は銭湯の客、第3話はレスリング教室の創設者(写真)だけというワンポイント出演だが、ほかの作品でも、ドラマ『ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~』(NHK)、映画『前田建設ファンタジー営業部』(公開中)で、見事な“ワンポイント俳優”ぶりを発揮している。
そんな鈴木が、今作で初のヒロイン役に挑んでいる塚地の印象や、“ワンポイント俳優”の極意などを語った。
――撮影も後半に差し掛かりました。改めてドラマの感想をお聞かせください。
塚っちゃん(塚地)をドラマのヒロインにするなんて、攻めているドラマだと思います。しかも毎週、ちょこっと僕を出してくれるのもありがたいですが、それもまた、攻めているなぁと。ある意味、時代に抗っているドラマなので、ぜひ観ていただきたいです。
――SNSでは塚地さん演じるおっさん多恵子がかわいいと大評判ですが、相方としてご意見はいかがでしょうか。
僕も現場で塚っちゃんのシーンを見ていますが、「そうかなぁ~!?」って。もう25年位の付き合いで勝手知ったる仲ですが、堂々たるおじさんですし、たまに金目鯛に見える時もありますよ(笑)。でもあまり声を高らかにすると、僕はツイッターで炎上してしまうので黙っておこうと思うんです。多分、本上まなみさんの仕草を真似しているからかわいく見えるんでしょうね。
――このドラマのために、あることにトライしたそうですね。
第2話の銭湯のお芝居の前に、メイクさんから「前貼りをやってもらうかもしれない」と言われまして。「鈴木さん、全部毛を抜くとすごく(前貼り)やりやすいんですよ。トイレも楽ですよ」と脱毛を勧められたので、ブラジリアンワックスに挑戦して、今、生まれたての状態なんです。銭湯シーンの当日、前貼りを作ってくれたメイクさんの期待に応えるためにも、最後の最後に意を決して、腰に巻いていたタオルを落としてお尻をペロっと出したら監督さんに採用されました。せっかく剃りましたからね、良かったです。
――“鈴木拓さんを探せ”ではありませんが、毎週、様々な役で登場されています。「ワンポイント俳優の極意」みたいなものはありますか?
ワンポイントの極意ははっきりしています。まず、「絶対に邪魔をしない」。ワンポイントだからといって目立とうとすると二度と呼ばれなくなります。次に、「自分のセリフを溜めない」。これも同様で、シーンの中で悪目立ちはダメなんです。最後に、「スッと出て、邪魔をしないようにスッと帰る」。ドラマの現場はスタッフさんもみんな忙しいですから、長居は無用です。
――ある意味、気遣いの方では?
いやいや。僕は長いセリフを覚えられないので、セリフは3行ぐらいがちょうどいい。そうなると、こういう出方で生きていくしかないですから。先日のシーンは、“猫語を話す”という役割りでした(第6話)。セリフを覚える必要がなくて、最高でした(笑)
――実は、映像でこのポジションを継続されている方は、あまりいらっしゃらないのではと思います。
少し前までは、同じ事務所のアンジャッシュ・児島一哉さんも同じような出方をしていたんです。でも最近あの人、急に役者づいちゃって。「お前の演技はヘタだな」とお互いに言い合っていた仲だったのにね(笑)。その点僕は、映画もドラマも本当にワンポイント起用が多い。本当にありがたいです。
――もしかして、“ワンポイント俳優”のレジェンドですか?
もうこの際言ってもいいですか? はい、レジェンドですね。
――視聴者へのメッセージをお願いします。
コメディですが、家族愛もあり、心がほっこり温まるようなドラマになっていますので、ぜひここは気を抜かずに観てください。と言うのも、気を抜くと僕がどこに出ていたのか分からないからです。これからも必ずちょこっと出演しています。見逃さずに最後まで観ていただけるとありがたいです。