JR東日本仙台支社は、線路の状態を遠隔監視できる線路設備モニタリング装置を4月から順次導入する。装置を通して得られるビックデータを活用し、効率的なメンテナンス手法の確立をめざすとしている。

  • 東北本線を走行するE721系の普通列車

線路設備モニタリング装置は、レールにレーザーを照射して線路のゆがみを測定する「軌道変位モニタリング装置」と、カメラで線路の状態を撮影する「軌道材料モニタリング装置」の2つで構成され、営業列車の床下に搭載される。仙台支社管内での導入線区と装置を搭載した列車の編成数は、東北本線・常磐線・仙山線に計4編成、仙石線に2編成、奥羽本線(新庄駅から秋田支社との境界までの区間)に4編成となる。

軌道変位に関して、従来は「East i」による軌道検測を年4回実施していたが、今後はより高頻度で線路の状態を把握することができるようになり、タイムリーな補修作業が可能になる。従来は保守係員が評価していた補修作業の結果についても、モニタリング装置を搭載した列車が走行することで評価できるようになる。

線路の状態についても、多い場所では3週間に1度の頻度で徒歩による点検を実施していたが、今後はレールと枕木を固定する金具やレールとレールをつなぐボルトの状態などをカメラで撮影して不具合を自動判定するため、徒歩での点検を3カ月に1度に減らせるという。