Great Place to Workは2月26日、2020年版日本における「働きがいのある会社」ランキングを発表した。働き方改革が進む昨今、"働きやすさ"だけでなく、"働きがい"も実現できている企業はどんなところなのか、早速紹介しよう。
「働きがいのある会社ランキング」は同社が2007年より調査・発表しているもの。従業員、マネジメント側、双方へアンケートを実施し、ベストカンパニーを選出している。当初62社だった参加企業数は14回目となる今回、499社となった。
ランキングは従業員が1,000人以上の「大規模部門」、100~999人の「中規模部門」、25~99人の「小規模部門」に分かれており、大規模部門では2年連続で「セールスフォース・ドットコム」が1位にランクインした。次いで「ディスコ」、「シスコシステムズ」と続いている。
中規模部門では3年連続で1位となった「コンカー」、「サイボウズ」(2位)、「ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ」(3位)がランクイン。
小規模部門では、「スタメン」(1位)、「現場サポート」(2位)、「難病の子どもとその家族へ夢を」(3位)が上位に入っている。
調査結果を見ると、全体として「必要なときに休暇がとれる」「仕事と生活のバランスをとるように奨励されている」といった働きやすさに関する設問は改善傾向にあるものの、「経営・管理者層の期待していることが明確になっている」「この会社には『家族』『仲間』といった雰囲気がある」などのスコアが低下しており、経営・管理者層に対する信用が下がっているとのこと。この傾向は、特に小規模部門で顕著に見られたという。
同社代表の岡元利奈子氏は「働き方改革は着実に推進されているが、会社に対する納得感や信頼感、連帯感がどんどん薄れていることを危惧している」とコメントした。
またランキングに入った企業は、そうでない企業に比べて、「仕事に行くことを楽しみにしている」「一体感を感じることができる」「経営・管理者層はこの会社に合った人を採用している」という設問でスコアが高かったそうだ。一方で、働きやすさに関する項目では、違いが少なかったという。
「仕事の時短や効率化によって、そもそもの仕事の面白さややりがい、中身について、コミュニケーションする時間がなくなっている」「働き方改革の裏返しとして、日本全体の働きがいは下がっていると考えている」と岡元氏。
日本の労働人口がどんどん減っていく中で、いかにして優秀な人を確保し、生産性高く働いてもらうか。働き方改革から一歩踏み込んで、「働きがい」についても考えていく必要がありそうだ。