レーズンといえば、カリフォルニアなどからの輸入品がほとんどですが、ブドウ王国・山梨には県産ブドウのレーズンがあります。そして、それを惜しげもなく使ったレーズンサンドまで。
山梨出張帰りにたまたま買ったレーズンサンドがとんでもないおいしさだったので、ここでご紹介いたします。
山梨ではレーズンまで国産ブドウ?
そのレーズンサンドは、JR甲府駅北口の「甲州夢小路」という商業施設で発見しました。甲府駅にこんなしゃれたショッピング&食べ歩きゾーンがあるなんて知らなかった。
昔は水晶がたくさん採れたことから、実は山梨は「ジュエリー王国」でもあります。そんな歴史を感じさせるジュエリーショップやミュージアムのほか、地元産食材を使うレストランも入店し、観光スポットになっています。
その一角で、「葡萄屋kofu」というキュートなスイーツショップを発見。食いしん坊なのでブドウジュースに心を惹かれつつも、レーズンサンドに目が釘付けに。なんでも、山梨県産のブドウを使ったもので、賞味期限は5日。デリケートなお菓子なんだなあ。レーズンサンド愛好家としては、当然全種類ゲットです。
山梨だとレーズンバターはこうなる
帰宅して、すぐに食べてしまいましたが、後日、食べる前にちょっと冷やすと良いことを知りました。でも、室温でほど良く溶けたクリームもおいしかったです!
全6種の名称と味の感想は以下の通り。
(1)レーズンサンド 183円 クリームなし。ブドウの魅力が存分に味わえる。
(2)レーズンバターサンド 183円 バタークリームとレーズンがベストマッチ。
(3)ラムレーズンサンド 216円 大粒の巨峰を3粒サンドした贅沢な品。
(4)紅茶サンド 216円 クリームに紅茶の茶葉入りで、香りまでおいしい。
(5)こうふのまちレーズンサンド 216円 バタークリームに赤ワイン入り。
(6)大吟醸レーズンサンド 216円 レーズンは大吟醸の酒粕漬け。クリームにも煮切り大吟醸入り。
※価格はすべて税込
どれもおいしいですが、特にラムレーズンサンドの完成度がすごすぎる。
大粒の巨峰が3つも入っていて、噛むと果汁がじわ~っとあふれだしてくるのです。ラム酒の香りは芳醇で、大人仕様。いつもの紅茶を濃いめに入れて楽しみましたが、この感じ、ブドウつながりでワインにもきっと合う。ひと口かじって、その余韻でワインを飲んでみるのも楽しそうです。
クリームにしっかりとしたコクがあるので、ボディ感のある赤ワインなんていかがでしょう。
メーカーさんに聞いてみた
こんな素敵なレーズンサンドを製造しているのは、甲府にあるプロヴィンチアという農産物や食品の生産、加工、販売を行う企業。広報担当の方にお話を聞きました。
「2011年よりレーズンサンドを販売開始し、2013年に夢小路店がオープン。レーズン自体は2010年より製造していました。レシピは、東京・多摩のシェフが『山梨のためになるなら』と、特別に提供してくれたものです。
最初はレーズンサンドとレーズンバターサンドだけでしたが、徐々にアイテムが増えて現在の全6種になりました。ブドウの品種は、大粒の『ラムレーズンサンド』は巨峰、『紅茶サンド』にはハチミツの香りのある『甲州』と決めています。それ以外もなるべく巨峰を使いますが、その時の収量次第で別の品種を使うこともあります」。
「日本ではブドウといえば『生』が好まれ、加工品なら『ワイン』のイメージが強いです。その中間に位置する『干しブドウ』の食文化が、海外に比べてあまりありません。現在、日本で流通するレーズンの中で、国産品は0.1パーセント程度といわれていますが、当店以外に国産レーズンを生産するところが増えており、頼もしく思っています。
山梨は年間4万2,000トンほどのブドウを生産していますが、中には形が不ぞろいだったりで出荷できないものもあります。農家さんが自家消費するなどしていますが、そういうものも有効活用していこうと思っています。形が悪くても味はおいしいわけですから」。
と、ブドウ愛あふれるトークが止まらない担当さんでした!
インフォメーション
実店舗はJR甲府駅の「甲州夢小路店」と、河口湖畔の「富士大石ハナテラス店」の2店。
公式オンラインショップでも扱う。