東京商工リサーチは2月25日、愛知県・西浦温泉にある観光旅館「冨士見荘」を経営している冨士見荘が、新型コロナウイルスの影響により2月21日までに事業を停止し、名古屋地裁豊橋支部への破産申請を弁護士に一任したと発表した。
中国からの団体ツアーのキャンセルが続出
冨士見荘は、三河湾を望む景観と新鮮な魚介類が目玉の観光旅館。ピーク時の2005年12月期には約5億5,000万円の売上高があったが、その後の業績不振により再度の資金ショートを起こし、2013年8月に行き詰まりが表面化した。しかし、その後も事業を継続。特に近年は中国人ツアーの受け入れに注力し、多数の中国人観光客が利用していたという。
このような中、2020年1月、中国で急拡大した新型コロナウイルスの影響により、中国からの団体ツアーのキャンセルが続出。春節の大型連休と重ねて盛り上がりを見込んでいた需要が確保できなくなったため、先行きの見通しが立たなくなり、事業継続を断念したとしている。