ソニーモバイルコミュニケーションズは2月24日、5Gに対応した最新スマートフォン「Xperia 1 II」(エクスペリア ワン マークツー)をグローバル向けに発表しました。

Xperiaシリーズの新フラッグシップとなるこの「Xperia 1 II」の注目ポイントを、スマートフォン関連を中心に取材するライター・太田百合子さんがわかりやすく紹介します。

  • Xperia 1 II。エクスペリア ワン マークツーと読みます

「オールソニー」のXperia 1を、5G向けに進化

ソニーから、5Gに対応した「Xperia」の最新モデル「Xperia 1 II(マークツー)」が発表されました。ソニーでは初となる5Gスマートフォンです。

  • カラーはブラック、パープル、ホワイトの3色

  • カメラの位置が「Xperia 1」の中央から、左サイドに移動するなど、デザインが一新されています

前モデル「Xperia 1」では、カメラ、ビデオ、ディスプレイ、サウンドと、ソニーの持つリソースを結集した、「オールソニー」とも言えるプロ仕様な機能が話題を集めました。「Xperia 1 II」では5Gに対応しただけでなく、それらの機能も来る5G時代にあわせてアップデートされています。

特に大きく進化したのが、デジタル一眼「 α(アルファ)」シリーズの技術を取り込んだカメラ機能。なんと、αシリーズ用のEマウント交換レンズでも人気の「ツァイスレンズ」が採用されています。

  • レンズにはツァイス独自のT*(ティースター)コーティング技術が用いられていることを示すマークもプリント。クリアで明るく高コントラストな映像が撮影できる証で、カメラ好きならそそられるはず

クアッドカメラ相当のトリプルレンズ+ToFセンサー搭載

「Xperia 1」ではいずれも約1,220万画素の広角26mm(F1.6)、望遠52mm(F2.4)、超広角16mm(F2.4)のトリプルレンズカメラでしたが、「Xperia 1 II」では約1,220万画素の広角24mm(F1.7)、超広角16mm(F2.2)、望遠70mm(F2.4)に加え、iToF(indirect Time of Flight)センサーを搭載。ソニーはトリプルレンズカメラ+ToFと表現していますが、他メーカーでは「クアッドカメラ」とも呼ばれている仕様です。

また「Xperia 1」の広角カメラのセンサーサイズは1/2.6でしたが、「Xperia 1 II」では1/1.7と一段階大きいセンサーを採用。従来比1.5倍の高感度撮影が可能とのことです。

さらにαシリーズの技術である、AF/AE追従20コマ高速連写や60回/秒のAF/AE演算にも対応。高速なピント合わせ、撮影ができるのに加えて、「Xperia 1」から搭載された瞳AFが人間だけでなく動物にも対応しました。これによって動き回るペットも、しっかり瞳にピントをあわせて撮影できるようになりました。

αのUIを踏襲、よりプロっぽい撮影が可能に

このほか「Xperia 1」で話題となった、プロ仕様の動画撮影機能「Cinema Pro」をアップデートした「Cinematography Pro」に加え、αシリーズのUIを踏襲する本格的な写真撮影機能「Photography Pro」も新搭載。現在発表されている他メーカーの5Gスマートフォンのように、8Kビデオ撮影にこそ対応していないものの、プロ用製品を多数手がけるソニーらしく、本格的な撮影体験ができるようになっています。

そのプロっぽさはディスプレイにも反映されていて、「Xperia 1」と同じ12:9、6.5インチの4K HDR対応の有機ELシネマワイドディスプレイに、リフレッシュレート90Hz相当の残像低減技術を新搭載。さらにディスプレイの色味を細かに調節できる新機能も追加されています。これを使えば、たとえば撮影した写真を印刷した際の色味なども、ディスプレイ上で確認できるとのこと。

ちょっとやり過ぎな感もありますが、プロカメラマンが本気で使えるスマホと言えそうです。

なお「Xperia 1」同様、シネマワイドディスプレイは縦にすると、WEBサイトやSNSが閲覧しやすい超縦長ディスプレイとなり、2つのアプリを1画面で表示するのにも便利。ながら使いがしたい人にもおすすめです。

  • 縦に長い12:9の6.5インチディスプレイを搭載

  • 右サイドに音量ボタン、電源ボタン兼指紋センサー、シャッターボタンーを搭載

  • 左サイドにnanoSIM&microSDカードスロットを備える

  • 底部にはUSB type-C端子

  • 上部には3.5mmのヘッドフォン端子もある

祝イヤホン端子復活!360度サウンドにもいち早く対応

サウンドへのこだわりも、「Xperia 1」からさらに一歩深まっています。中でも最も注目すべきは、3.5mmイヤホン端子が復活したこと。2018年に「Xperia XZ2」でイヤホン端子が廃止された際、「Xperia」をウォークマンとして利用していたオーディオファンの中には、裏切られた気持ちになった人も少くなかったと思いますが、満を持してイヤホン端子が戻ってきました!

またスピーカーも「Xperia 1」から左右のバランスを強化。ソニー・ミュージックエンタテインメントによるサウンドチューニング、ソニー・ピクチャーエンタテインメントによる独自のDolby Atmos効果のチューニングに加えて、2019年のCESで発表された「360 Reality Audio」が、早くもスマホへ搭載されました。圧縮音源をハイレゾ品質に持ち上げる「DSEE HX」を進化させた「DSEE Ultimate」が、ソニーの製品の中でもいち早く搭載されている点も注目です。

このほかチップセットにはQualcomm Snapdragon 865を採用。メモリーはRAM8GB、ROM128GBで、IP65/68相当の防塵、防水性能も備えています。バッテリーも「Xperia 1」の3,300mAhから4,000mAhへと増量され、ワイヤレスチャージにも対応。一方でサイズは高さ166×幅72×厚さ7.9mm、重さ181gと、ほんの少しですが「Xperia 1」よりも薄くなっています。

  • 専用のケースも同時発売予定。各色にあわせたフリップ型ケース「Style Cover View」のほか、動画視聴時に便利なスタンド付きケース「Style Cover with Stand」も用事される

5G時代にこそ輝く、オールソニーなフラッグシップ

5Gスマートフォンとしての真価は、実際にキャリアでの商用サービスがスタートしてみないとわからないところも多いですが、高速なネットワークを活用し、高画質・高音質なコンテンツを楽しむための、準備万端整ったスマホであることは間違いありません。

なお「Xperia 1 II」は5GのSub6帯にのみ対応していますが、ソニーではすでにミリ波と呼ばれる高周波帯に対応するスマホも開発中とのこと。プロフェッショナルな映像&音楽と、それを届けるための5Gはクロスするところも多いので、オールソニーな「Xperia」シリーズは5G時代にこそ輝けるはず……と、期待しています。