iPhoneを利用していると困るのが「バッテリー切れ」。大切な電話やメールを受け取れなくなりますし、音楽を聴いたり映像を楽しんだりすることもできなくなります。Apple Pay対応のiPhoneの場合、電子マネーの利用にも支障がでてきますから、バッテリー切れを予防することは日常生活における基本中の基本といえます。

低電力モードは、iPhoneの消費電力を大幅に節約する機能です。iPhoneの使いかたにもよりますが、バッテリーのもちが1.5倍、2倍近くまで延びたという報告もありますから、バッテリー残量が心もとないときには低電力モードに切り替えることがバッテリー切れの予防になります。

とはいえ、無条件でバッテリーのもちが伸びるわけではありません。1日、2日の単位であればバッテリー容量は一定ですから(1年、2年の単位では最大容量が減少します)、電力を消費するなにがしかの機能に制限をくわえることで電力の消費ペースを減らし、バッテリーを長もちさせているのです。

ある意味で、その制限が犠牲といえるかもしれません。低電力モードにするとSoCの動作クロックが下げられるので、演算/描画性能は低下するものの、システム/アプリ全体の電力消費ペースを抑えられます。メールの到着がプッシュ通知されなくなるという不便さはありますが、通信機能の利用頻度が減ると節電になります。ほかにも「ヘイ、シリ」が使えなくなるなど、利便性は多少低下しますが、代わりにバッテリー切れという最悪の事態を遠ざけることができます。

ほかにも、アプリがバックグラウンド更新されなくなる、自動ロックが30秒に決め打ちされる、iCloud写真が一時的に停止されるなどのデメリットがありますが、バッテリーのもちが1.5倍、2倍近くまで延びるメリットを思えば納得できるはず。バッテリー残量に不安があるときは、積極的に活用しましょう。

  • 「低電力モード」は何かを犠牲にするの?

    低電力モードでは処理性能が低下するなどのデメリットがありますが、バッテリーのもちが大幅に延びます