フジテレビ系ドキュメンタリー特番『居場所をください~限界密着…壊れていく子どもたち~』が、23日(20:00~21:54)に放送される。
この番組は、殻を閉ざし、荒れる子どもたちへの長期密着取材から、子どもたちが人生を激変させる瞬間を捉え、生きる目標を見つけ出し歩み始めるまでを描くもの。06年からこれまで4作が放送され、今回は10年ぶりの放送となる。
今回登場するのは、交際相手のDV、母親の育児放棄、義父からのレイプと、居場所をなくしてしまった非行少女を一時的にシェルターで保護し、社会更生を手助けする活動をしている元少年院法務教官の武藤杜夫さん(41)。「信頼できる大人が1人いるだけで、子どもは立ち直る」という信念のもと、日々、独自のパトロールを続けている。
リストカットを繰り返す家出少女。幼少期に育児放棄され、10代から風俗で生計を立てる少女…孤独と困難を抱えた沖縄の子どもたちに寄り添い続ける姿を追う。
武藤さん自身にも中学時代からの非行、浮浪児同然の生活経験がある。しかし、独学によって国家公務員試験に合格。府中刑務所の刑務官、沖縄少年院の法務教官を歴任し、スーパー公務員として将来を嘱望されたが、17年に幹部への昇任を固辞して辞職した。「日本こどもみらい支援機構」代表として、講演料や寄付金など自主財源で支援活動を続けている。
また、87年、共同生活寮「ピースフルハウスはぐれ雲」を開設して以来30年以上、規則正しい合宿生活と農業を通じて、不登校や引きこもりの若者たちの自立支援に取り組んでいる川又直(65)さんも登場。これまで31年間で430人が利用し、社会に送り出してきた。現在13歳~40代まで男女15人が共同生活している。寮生は相部屋で、子ども同士でもまれるうち、自己中心的な考えが改められ、人との程よい距離感をつかめるようになると言う。
中学1年から不登校となった少女は母親とも衝突し、家にも学校にも居場所がなくなり入寮。共同生活をしながら中学にも通いなおすことに。ある日、寮生とのトラブルがきっかけで脱走し、最後の居場所までも失う危機に。しかし、川又さんの対応は“子どもたちを信じ、黙って見守ること”だった…。
スタジオで見守ったMCのオードリー・若林正恭は「先生と子どもたち、子ども同士もそうなんですけど、じっくり向き合って話をしている姿が印象的でした。スマホやSNSなどが発展していく中で、会って話をして聞いてあげるということが、人間の心の健康にはすごく必要なんだな、ということを痛感しました。大人の方にもその余裕がないということがあって…。大人、親が“自己責任”という言葉で切り捨てられてしまうのはしんどいな、と思いましたね」と感想をコメント。
松岡茉優は「今、まさに『居場所をください』と思っているお子さんも見てくれているんだろうな、と思って(スタジオで)話していました。今苦しんでいるお子さんがいたら、1人、ということはないと思うから、こういう施設が全国にあるので、どこか頼れるところとライフラインをつないで、どうか生き続けてほしいと思います。この番組を見て、(社会と)関わってくれたらうれしいです」と願った。
企画のフジテレビ・佐竹正任氏は「取材を開始してみれば、子供たちの抱える問題の質はガラリと変わったものの、熱血先生たちと子供たちが日々もがきながら共に戦い成長していく姿は、時代は変わっても全く同じ輝きを放っていました。今回の放送でご紹介するいくつかの汗と涙の物語は、現代を生きる全ての家族にとって、必ずや生きるヒントになると確信しています」と話している。
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