アプリの端でよく見かける「≡」ボタン、なんて呼んでいますか? 3本ある棒の長さはすべて同じ、数学の合同記号とそっくりですが、割り当てられている機能に数学的な意味はありません。漢数字の「三」でないことは確かですし、かといって「3本棒」とか「合同記号みたいなヤツ」と呼ぶわけにもいきません。
この「≡」ボタンは、「ハンバーガーメニュー」と呼ばれます。誰がそう呼び始めたかは定かでなく、いつの間にか名称として定着していましたが、上下がバンズ、中央がパテ(ハンバーグ)の多層/複層構造に見えるからでしょう。デザインにクセがない抽象的意味合いのボタンとして手頃な存在で、アプリにメニュー画面を呼び出す機能を持たせたいとき、タップすると下階層/小項目を表示するボタンとして利用されます。
ハンバーガーメニューはAndroid/iPhoneの別を問わずスマートフォンアプリに採用されることが多く、CSSでも表現しやすいことからWEBアプリでもよく見かけられます。画像データ(ビットマップイメージ)として用意する必要はなく、同じ長さ・間隔で配置された3本の線を引けばOK、という扱いやすさも普及の理由と考えられます。
しかし、意味するところが抽象的すぎるからか、あまりに多くのアプリに採用されたことへの反感か、ハンバーガーメニューを廃止する動きも見られます。最新の「Googleマップ」アプリでは、これまでハンバーガーメニューがあった位置に似たデザインのボタンが薄く表示され、タップすると機能が移動したことを説明する吹き出しが表示されます。もっとも、姿を消したところで感傷に浸るほどのものでもありませんから、そういえば昔あったなあ、程度でいいのではないでしょうか。